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IDEでよかった

 

金 明徳

株式会社 損保ジャパン・リスクマネジメント
(国際開発工学専攻OB:博士課程修了、博士(工学))

最初に研究室に入って驚いたのは留学生の人数が多いことだった。いろんな国からの外国人の留学生・研究員が日本人学生の中になんら違和感なく仲良く勉強、研究に励んでいる光景をみて、他国の人々と共生し異なる文化を受容できる環境であると感じた。少なくとも国際開発工学専攻においては国際化が進んで受入体制が整えている。

来日前に5年間私は中国石油化工股份有限公司(SINOPEC)の研究所で研究をしていた。SINOPEC時代にやってみたかったテーマを指導教官と相談して東工大でしたい研究ができた。そのおかげで6年間楽しい研究生活を送った。

私が国際開発工学専攻に入ったときから指導教官、専攻内の先生の方々、及び研究室の先輩、友人達が支えくれた。いまだにそのときが懐かしく感じ時々研究室に帰っている。

現在、財産保険の会社でリスクマネジメントの仕事に従事している。仕事の主な内容として、企業の工場を見回って、工場の立地環境、建物、生産工程、防災設備、防災管理などの状況を調査・評価し、リスクの低減のための改善提案を行っている。この仕事をするためには化学、機械、電子・電気、土木、建築などの広い範囲の知識を必要としているが、在学時に他コースの実験を体験したことなどで今はなんら抵抗感なしに、幅広く新知識を吸収しながら仕事をこなしている。

弊社の業務内容は日本国内だけではなく、中国、韓国、東南アジア、欧米に進出している日系企業にも実施している。私の場合、月1回のペースで中国、韓国へ出張しているが、国際開発工学開発で勉強してきたもの、経験したものが大変役に立っていると思っている。特に海外でのプロジェクトを経験した、また今も海外へ往来しながら活躍している客員の先生方の貴重な体験談を聞けたことが今の仕事を進めるにあたっての物事に対しての考え方を多く教わったと感じている。

また、研究室、専攻の懇親会での交流も相互の国の文化を理解し合う場でもあった。同じ空間の中で相手の立場に立って物ことを考えるというのは、この懇親・交流の場で身をもって勉強させてもらった。
(2007年8月執筆)