学会誌”国際開発研究”にて特集「工学と国際開発」を刊行!

国際開発学会の学会誌”国際開発研究“にて,本研究部会の集大成として,特集「工学と国際開発」を刊行しました.目次は下記となります.

高田潤一・花岡伸也
「工学と国際開発」の論点整理と今後の展望…1

(総説)
田中直
適正技術の今日的意義と蘇生…7

(論文)
福林良典・木村亮
誰も取り残さない開発に向けた小規模道路通行性改善…19

徳永達己・武田晋一
地方創生に向けた住民参加型インフラ整備工法の適用可能性に関する研究…31
―国内の事例検証および産業連関表による事業効果分析を通じて―

中野恭子
日本における工学高等教育協力の現状と課題…49
―研究室中心教育(LBE)の実践を中心に―

(報告)
内藤智之
ICT と国際開発…67
―SDGs 達成に不可欠なICT 利活用のさらなる促進と課題―

適正技術シンポジウム:工学と国際開発の融合に向けて

【適正技術シンポジウム:工学と国際開発の融合に向けて】
◆主催:国際開発学会「工学と国際開発」研究部会
◆日時:2015年7月8日(水)15:00-18:00
◆会場:東京工業大学蔵前会館ロイアルブルーホール(大岡山駅前徒歩1分)
◆参加費:無料

◆プログラム
1. 開会の辞 高田潤一 (東京工業大学)
国際開発学会会長からのメッセージ 高橋基樹 (神戸大学)
2. 講演
(1)内島光孝 (JICA国内事業部中小企業支援調査課)
ODAを活用した中小企業海外展開支援
(2)浅尾卓司  ((株)トロムソ
もみ殻は地球が生んだ貴重な資源
(3)田中直 (特定非営利活動法人APEX
適正技術とこれからの国際協力-インドネシアでの実践から
3. 質疑応答
4. 閉会の辞 花岡伸也 (東京工業大学)

2014年度第4回研究会(開催済み)

テーマ「もったいないと国際開発」.
「工学と国際開発」研究部会第4回研究会
日時:2014年7月9日(水)17:00-19:30
場所:東京工業大学大岡山キャンパス石川台4号館地下B02-05室

1. 大即信明 教授 東京工業大学国際開発工学専攻
題目:「もったいないと国際開発」の趣旨説明

2. 日野出洋文 教授 東京工業大学国際開発工学専攻
題目:環境汚染廃棄物の有効利用
概要:各国・各地域で様々な廃棄物は排出され,環境悪化の原因となっている。しかしながら,そのような廃棄物を有用な「資源」と位置付け,環境浄化用材料を製造することにより,環境改善に貢献することができる。今回は,当研究室で行っている研究から,日本における廃棄物として湖沼汚泥を取り上げ,また,インドネアの産業であるサトウキビの廃棄物である「バガスフライアッシュ」,韓国の農業廃棄物である「ミカンの皮」の有効利用を例にとり概説する。
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3. 西田孝弘 助教 東京工業大学国際開発工学専攻
題目:建設分野での廃棄物の利用
概要:建設分野においては,材料の使用量が膨大であること,運送等の制約条件から地産地消の材料が好まれることなどから,幅広い廃棄物の利用が推進されてきた。例えば,セメントの原材料として使用される比較的品質が劣るフライアッシュや都市ごみ,混和材料として使用される比較的品質が良いフライアッシュや高炉スラグ微粉末,もみ殻灰,火山灰,骨材として使用される製鋼スラグや銅スラグ,貝殻等などが挙げられる。また,最近では橋梁をそのままの形で再利用するような取り組みもなされている。ここでは,上記のような建設分野における廃棄物の利用について概説するととも に,講演者がこれまで携わった取り組みについて紹介する。
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4. 竹田宣典 (株)大林組技術研究所 上級主席技師
題目:震災がらと海水を利用したコンクリート製造に関する検討
概要:東日本大震災では, 400万トン以上のコンクリートがらが発生した。コンクリートがらを細かく砕いてコンクリート用骨材とするには,多大な時間とエネルギーが必要である。また,震災後には,真水の供給が困難な生コン工場も多数あった。そこで,震災で発生したコンクリートがらの有効利用と東北地方の骨材不足への対応を目的とし,大割りのままのコンクリートがらを骨材として使用し,天然の海水を練り混ぜ水として使用するコンクリートの製造方法について検討を行った。本発表では,プレパックドコンクリート工法やポストパックドコンクリート工法を応用した港湾用コンクリートブロックの製造・施工方法の検討および相馬港で実施した実証試験について紹介する。
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2014年度第3回研究会(開催済み)

テーマ:水環境・水資源と科学技術ODA
日時:2014年6月18日(水)17:00-19:30
場所:東京工業大学大岡山キャンパス石川台4号館地下B02-05室

1. 入江光輝 筑波大学北アフリカ研究センター 准教授
題目:北アフリカにおける学際的研究の展開 -水資源・生物資源・文化資源-
概要:北アフリカは、イスラームと欧州の文明の交差域にて人間社会のダイナミズムが研究できるだけでなく、北部の地中海から南部サハラ砂漠まで短距離で気候帯が激変する地理的条件はユニークで多様な生物資源とサハラ沙漠の豊富な太陽エネルギ資源への容易なアクセスという利点を示し、様々な産業化シーズ開発に向けた学際的研究の可能性がある。一方でこうした活動の基盤となる水資源は乾燥地域ゆえに脆弱で、適切な管理を必要としている。本発表では現地の水資源管理の観点からアプローチする学際的研究を中心に紹介する。
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2. 石川忠晴 東京工業大学環境理工学創造専攻 教授
題目:コンポスト型トイレによるフィリピン国マニラ首都圏の水環境改善について
-15年前に考えたこと-
概要:メトロマニラを貫流するパッシグ川の水質および汚染原因であるトイレの状況を調査した結果を示し、改善方策の一つであるコンポスト 型トイレのスラム地区への導入方法と問題点について、当時考えたことを話す。また時間があれば、インドネシアのバンドン市スラム地区を対象に行った同種の検討の結果も紹介する。
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2014年度第2回研究会(開催済み)

テーマ:情報通信技術と国際開発(ICT4D)
日時:2014年5月14日(水)17:00-19:30
場所:東京工業大学大岡山キャンパス石川台4号館地下B02-05室

1. 大杉卓三 大阪大学未来戦略機構 特任准教授
題目:情報通信技術とソーシャル・ビジネス -バングラデシュのグラミンに学ぶ-
概要:この報告では,バングラデシュのグラミン・グループが実践するソーシャル・ビジネスのなかでも情報通信技術に関連する事例について考察する。具体的には,グラミン銀行,グラミンフォン,グラミン・テレコム,グラミン・シャクティといった組織を取り上げる。それらが取り組む「ビレッジフォン・プログラム」のビジネスモデルと現状,そしてバングラデシュだけではなく海外での応用についても紹介する。
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2. 山下幸彦 東京工業大学国際開発工学専攻 准教授
題目:集合知およびWeb2.0の国際開発への応用
概要:通信の低価格化やWeb2.0などのインターネット技術の発展により,人々が情報をコラボレーションにより発信することが簡単にできるようになった。そのため,実現が難しかった集合知の活用が現実のものとなり,Wikipediaなどに代表されるように,集合知が知的生産活動に欠かすことができないものになってきた。本発表では,集合知および技術的な側面からWeb2.0を解説すると共に,本研究室での国際開発への応用に関して紹介する。
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2014年度第1回研究会(開催済み)

テーマ:BOPビジネス・社会起業

日時:2014年4月16日(水)17:00-19:30
場所:東京工業大学大岡山キャンパス石川台4号館地下B02-05室

1. 渡辺孝 国際社会起業サポートセンター(ICSE) 理事長
題目:社会起業家、適正技術、BOPビジネスの接点
概要:最近の国際的潮流の中でのキーワードは持続可能社会であるものの、その思考を具体的に展開すると「適正技術(Appropriate Technology)に行きつき、そのイノベーションの担い手が社会起業家であり、事業化がBOPビジネスに結びつく。これらのオピニオン・リーダーの紹介とコンセプトの接点を議論する。
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2.若林仁 国際協力機構(JICA) 民間連携事業部 連携推進課 課長
題目:JICAのBOPビジネス支援 -実績・教訓と今後の展望
概要:近年、JICAは従来の技術協力、有償・無償資金協力、ボランティア事業などによる開発途上国の支援に加えて、官民連携の推進に積極的に取り組んでいる。その一つが、将来中間層・消費者層となる貧困層を対象にし、開発課題解決への貢献が期待される民間ビジネス、いわゆるBOPビジネスに取り組む日本企業への支援である。新興・途上国におけるBOPビジネスの実現には、従来の政府間の連携のみならず、BOPビジネスに参画する意欲のある民間企業と非営利団体や現地起業家などとの効果的な連携(パートナーシップ)が不可欠であり、JICAにとって大きな可能性を秘めた新たな業務分野であると同時に、民間企業等からの提案を踏まえた、新たな挑戦を実践している分野となっている。本講演では、こうした認識のもと、これまでのBOPビジネス支援に関する実績を紹介し、それをふまえた教訓と今後の展望について述べる。なお、本講演は講演者の個人的な見解であり、JICAの公式な見解を示すものではないことを予め明確にしておく。
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2013年度第4回研究会(開催済み)

日時:2013年7月10日(水)13:30-16:00
場所:東京工業大学大岡山キャンパス石川台4号館地下B02-05室

1. 杉野晋介 エイト日本技術開発国際事業本部 
題目:中東の水利用と紛争
概要:21世紀は水の時代と言われ、水が戦争を引き起こす原因になるとまで言われている。しかし、本当に水をめぐり戦争は起こり得るのだろうか?戦後から流域諸国の水利用が論争の種となってきた中東地域では、そのような戦争を防止するために多くの技術者が知恵を絞り、水利用の代替策を模索してきた。しかし現在に至っても、水利用をめぐる論争は収まっていない。本講演では、中東地域における水利用と国家間の紛争の構図を明らかにし、これまでの解決策に何が欠けていたのか、模索したい。
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2. 学生によるパネルディスカッション
パネリスト:若林一基,平井雄之,齋藤亘,李安琪,黒部笙太
東京工業大学工学部国際開発工学科のカリキュラム(2009年から開始)は,工学を系統的・俯瞰的に理解する科目群による教育と,国際的な技術者として必要な素養を育む教育を実践している.このカリキュラムを学んだ学生による,「工学と国際開発」についてのパネルディスカッションを実施する.学科の教育から学んだこと・期待とのギャップ・工学と国際開発のポテンシャルなど,幅広い視点からディスカッションを行う.
資料ダウンロード:
若林一基:国際開発工学
平井雄之:国際開発と豊かな地球の未来
齋藤亘:国際開発工学のイメージ
李安琪:私にとっての「国際開発工学」
黒部笙太:私の思う開発工学

2013年度第3回研究会のご案内(開催済み)

日時:2013年6月12日(水)13:30-15:30
場所:東京工業大学大岡山キャンパス石川台4号館地下B02-05室

1. 池田龍彦 放送大学神奈川学習センター所長・横浜国立大学名誉教授
題目:日本の国際化と開発協力
概要:明治維新以来、日本がたどってきた「国際化」を考えるとともに、1955年に研修事業で始まったODAの中のインフラ整備と人材育成について考察する。「国際化」とは、グローバル化した世界の中で、国内業務と国際業務に境界がなくなって行く過程と捉える。日本の高質な技術を如何に維持発展させ、国際的に活用するかについて議論する。
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2. ピパットポンサー・ティラポン 東京工業大学 学術国際情報センター准教授
題目:炭鉱採掘へ向けた工学と国際開発
概要:本講演では,新たな採炭法の実用化に向けた国際協働のあり方を共に考える研究プロジェクトを実現し,国際開発に貢献するための工学的アプローチおよび様々な分野でのネットワーク作りを紹介する。フィールド調査,室内実験,模型実験,実物実験,理論開発との関連付け,どのような問題点とその解決法に取り組むのか,どのようにして共同研究に生かせるかについて議論を展開したい。
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2013年度第2回研究会のご案内(開催済み)

日時:2013年5月17日(金)13:30-16:30
場所:東京工業大学大岡山キャンパス石川台4号館地下B02-05室

1. 佐藤仁 准教授 東京大学東洋文化研究所
題目:工学と社会科学の幸せな結婚
概要:「開発」の定義は様々であるが、一つのシンプルな定義は「人工物が増えること」である。ところが、人工物が増えるということが人間社会 にとってどのような意味をもつのか、については効率や利便性を超えた次元で深く考察されることが少ない。この部分を深堀りすることに工学と社会科学の結婚の意味がある。結婚は、結婚する者同士の努力が必要である。どのような努力があれば、幸せな結婚になるのか、いくつかの具体的な研究テーマを提示しつつ、議論を喚起してみたい。
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2. 中崎清彦 教授 東京工業大学国際開発工学専攻
題目:バイオテクノロジーと国際開発工学
概要:持続可能社会を支える技術としてのバイオテクノロジーをとおして、国際開発工学にどんな貢献が可能であろうか。演者の疑問と希望について話題提供し、将来の可能性について議論を深めたい。
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3. サリム・クリス 助教 東京工業大学国際開発工学専攻
題目:地域廃棄物の有効利用:災害産物による水質改善
概要:廃棄物を資源として考えた上で、どのように廃棄物を産出地域に有効利用できるだろうか。ひとつの事例として、インドネシアのジャワ島で起きた災害の産物の有効利用可能性について紹介する。
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2013年度第1回研究会のご案内(開催済み)

日時:2013年4月24日(水)13:20-15:50
場所:東京工業大学大岡山キャンパス石川台4号館地下B02-05室

1.神田学 教授 東京工業大学国際開発工学専攻
題目:学問としての国際開発工学 -アカデミズムの立場から-
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2.石尾淳一郎 博士課程 東京工業大学国際開発工学専攻
東工大国際開発サークルIDA(International Development Academy Tokyo-Tech)前代表
題目:学生による国際開発プロジェクト―その動機・実践・効果―
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