ICSEオリエンテーション,d.school講演会@東工大に参加しました.

2014年7月10日に東京工業大学にて開催されたICSE(International Center for Social Entrepreneurship)のオリエンテーション,および7月18日に同じく東京工業大学にて開催されたd.schoolの講演会に参加してまいりました.

ICSE(http://www.icse.jp/)は社会デザインイノベーションコンテストを毎年開催しており、今回は2014年度のオリエンテーションが開かれたため,これに参加しました.オリエンテーションでは,ビジネスプラン構築の指導をされている森本晴久氏がビジネスプラン構築に必要な事や実際に行われているBOPを対象とした社会イノベーションの事例を紹介してくださいました(当日の資料については上記のURLから無料で閲覧することができます)。

2014-07-10 18.46.30
森本氏の講演の中で,BOPビジネスを成功させる要因として、
1. 強い使命感を持つこと
2.明確なVisionを持つこと
3.現在人々が直面している課題やニーズを知ること
4.その解決策を考え出すこと
5.自分たちの強みである事業・技術を大切にする事
6.広く世に知ってもらい,信頼を得るためのブランディングをすること
7.ビジネスプランを構築すること
8.試作品,プロトタイプを作成すること
9.小さくともこつこつと業績や試作をつみかさねること
10.事業を継続するための組織作りをすること
を挙げていました.
講演の中で森本氏が特に強調していたのはトップダウンではなくボトムアップによる市場調査です.”途上国の人にはこれが必要だろう,これがあると便利だろう”と机の前で考えるのではなく,実際に現地に赴き,現地の人の声を聞き,彼らが本当に求めていることが何かを知ることが社会イノベーションには必要不可欠であるということで,講演の中ででた”Never what the entrepreneur wants comes before what customers want.”という文が強く印象に残っています.

d.school(http://dschool.stanford.edu/)はスタンフォード大学内に設置してある施設で,学生たちが様々なデザインイノベーションを生み出しています.今回は東京工業大学にてd.schoolの講師3名がデザイン思考に関する講演を行いました.

どのようにしてデザインイノベーションを生み出すかについては,前述の森本氏と同様に,解決策まで一足飛びにたどり着こうとするのではなく,実際にどのようなニーズがあるのかをしっかりと調査することやプロトタイプを作成することが重要であることとd.schoolでは考えているようです.具体的には,
・Empathize – ユーザを理解すること
・Define       – ユーザーが抱えている問題・課題を理解し定義すること
・Ideate       – 解決策を模索すること
・Prototype  – 試作品を作成すること
・Test         – 実際にユーザーに解決策を提示し,それを評価すること
のようなPDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルのような流れがあるとしています.
詳しくは「デザイン思考家が知っておくべき39のメソッド」(無料です: http://designthinking.or.jp/index.php?39)を読んでみてください.

実際にd.schoolに参加した人たちが生み出したイノベーションの例として,小型カテーテル(http://www.compactcath.com/)やMRI(d.school MRIで検索してみてください),ニュース記事を収集するアプリ(Pulse: https://www.pulse.me/)の3つが紹介されました。特に医療機器であるMRIの印象をがらりと変えることになったイノベーションについては,デザインが与える影響の大きさに驚かされました。

M2 片谷