スラバヤWSに参加してきました!POST2015 – Project On Sustainability Transformation beyond 2015‐in Surabaya報告

皆様、M1の柏です。あけましておめでとうございます、そして今年もどうぞよろしくお願いいたします。
早速ですが、12月13日から1週間ほどスラバヤへ行き、参加したPOST2015 – Project On Sustainability Transformation beyond 2015‐のワークショップに関する報告です。阿部研究室からは、阿部先生、Annaさん、平井さん、Sayori、柏の5名が参加しました。今回は、15日~17日に行ったワークショップの詳細と個人的なスラバヤでの気づきを書きたいと思います。
14日のお昼にスラバヤに到着後、夕食まで時間があったので街を散策しようと外出しました。外出草々、勢いのある大量の車・バイクで道路を横断できないインドネシアの洗礼を受けました。横断歩道・信号は少ない、有ってもサイズは小さく、存在感は無く、遠くからでは見えません。平井さん曰く絶え間なく続く車・バイクの列を無理やりこじ開け、道路を渡るのが普通らしいとのことです。手を挙げて、渡る意思を示さなければ、向こう岸に渡ることは出来ないのです。街並みについてですが、大通り沿いでは、ショーケースに食べ物を入れて売る移動式販売を多く見ました、大通りから細い路地へ入ると、子供たちがサッカーや鬼ごっこをしていたり、10人超の地元民が集まってワイワイしている屋台や野良猫など穏やかな風景がありました。他にも果物に特化した通りや、頭に物を載せて運ぶ人をよく見かけました。道を聞くと笑顔で優しく対応してくれ、屋台でもお店においても予想していた様なしつこい勧誘を受けなかったのは、少し驚きでした。夜は、ホテル隣接のショッピングモールにてインドネシア料理を食し、翌日から始まるワークショップへ向けて決起集会を行いました。
翌日15日、集合時間の前に、平井さんとホテル付近を散策し、道路上の移動式屋台でブブール・アヤムというおかゆを食べました。鶏の出汁お粥にナッツ、ガーリックチップス、刻み鶏肉が載っていて、日本人にとっても馴染みのある、そして毎日食べたいと思ってしまった味でした。さらに、これが75円と聞いた時、開いた口が塞がらなかったのを覚えています。本当に素敵な料理との出会いでした。
おかゆ
その後、ホテルからバスでスラバヤ大学(UBAYA)へ向かいました。到着後、Yunus先生を初めとするUBAYAの方々、トロント大学(U of T)のYu-Ling Cheng先生を交え、ワークショップの打ち合わせを行いました。そして共に食事を取り、16日に行うExpert Workshopの会場(UBAYA内のMeeting Hall)を下見しました。その後、大学から車で30分程の場所にあるBalai RW Rusun Penjaringansariという17日に行うCommunity Workshopの集会場を訪問し、住民に方々に対して、自己紹介、ワークショップの内容説明、行うゲームの説明などを行いました。集会場は、一階建て、天井がとても高く、50~60名ほど入れそうな広さがありました。その後、集会場近くの、住民の方々が住んでおられる集合住宅の見学をさせていただきました。4階建て、1フロア10部屋ほどのマンションが何棟も集合しているような場所でした。初めに集合住宅一階の受水槽の中を見せていただきました。受水槽の蓋を開けた瞬間、中から数えきれないほどの大量のゴキブリが出てきたことを今でも鮮明に覚えています。また一階は、バイクの駐輪場になっていました。上の階へ上がると、個人の家、祈祷を行う部屋、小さなコンビニの様な部屋を見つけることができました。
電気に関しては、住居内の電球が目に残像が残るほど眩しく明るかった印象があります、そして電気代は、各家に設置されているメーター(電力量計)により、公共スペースの電気代は、政府の負担ということでした。
ゴミに関しては、ダストシュートが各階に設置されており、投げ入れると一階に届くようになっていました。日本は、ゴミを出して良い時間、ゴミの種類が決まっているのに対して、ここでは、誰でも、どんな時間でも、どんなものでも捨てることが出来るそう。日本では最近見られなくなったが、アブダビのマスダールシティの新住居でも分別付きのダストシュートが取り入れられたように、国によって、ダストシュートは、住民にとって重要な役割を担っているのではないかと考えさせられました。しかし湿度が高いインドネシアでは、そこから悪臭が発生していたことは言うまでもありません。
水に関しては、天井裏に、高置水槽(一個当たりのキャパシティは、1100ℓ)が10個あるにも関わらず、その内、利用できるのは3個のみでありました。また水道料金は、月額300,000IDRでした。住宅内の水道周りでは、水道ノズルの緩みからの水漏れをバケツなどで集めている光景も目に入りました。外では集合住宅を囲むように用水路が二本程ありました。一本は微かに水が流れ、一本はヘドロが溜まって異臭がしました。
部屋に関しては、リビング、コンロが二台あるキッチン、天井のノズルから降ってくるシャワー、そして寝室というような構造でした。またそれと別に公共のシャワースペースのような場所も四か所ほど見かけました。集合住宅内の共用トイレを利用させていただいたが、水を流すノズルは無く、水瓶からすくってかけるタイプのトイレでした。また階段を利用して勉強をしている子供の姿もみられました。
Villege
その後、ショッピングモール内の中華料理屋で食事をし、翌朝からのワークショップに備えて休暇を取りました。
16日は、朝からSurabaya Expert WorkshopをUBAYAで行ない、ADB,FAO,ITB,U of T, UBAYA, TITから8名のエキスパートの方々に持続的な都市発展の実行とそのモニタリングに関するプレゼンテーションを行っていただきました。ADBのChatterjeeさんは、MDGsの弱点であった不十分な参加の解決、参加型アプローチを用いて参加だけではなく、実行、チェック、評価を通じたSDGsの発展、SDGsに対する市民の認識の低さの解消を訴え、U of TのYu-Ling Cheng先生は、適正技術である、小便を砂のフィルターを通した後に紫外線で消毒し、大便はローラーで伸ばしながら乾燥させ、その後焼却し、水を回収するトイレを紹介していただき、またそのトイレに関して、住民1人当たりのコストが1日5セント以下、24時間以内に衛生にできる、オフグリッドなどの特徴も教えていただきました。プレゼンテーションの後は、3つのグループに分かれて持続的な発展のために必要な部門・領域を個人で定め、関係のあるステークホルダー、モニタリング方法、頻度などを明確にし、方眼紙に張ってディスカッションを行い、この日のワークショップを終えました。その後、ワークショップに参加された方々とショッピングモールで食事を共にしました。
Expert2
Expert
17日は、15日と同じBalai RW Rusan Penjaringasariという集会場で、34名の住民の方々とポスト2015の持続的発展を達成するためのボトムアップスタディーである「Surabaya Community Workshop」を行いました。その中で、男性6チーム、女性6チームごとに自分たちの生活行動に関してポスター作成を行ないました。特に、そのポスター発表やジェスチャーゲーム対決などでは、大きな盛り上がりを見せました。また優勝、準優勝チームにお菓子を贈呈しました。これをもってこの日のワークショップが終わり、みなさんと笑顔で別れました。たとえ言葉が通じなくても、笑顔、少しの言葉、伝えようとする気持ち、大きなリアクションがあれば人と人は繋がれるということ身を以て体感しました。そしてワークショップの全日程を終えました。
Community
今回のワークショップを通じて、本人が何を望むかということが、非常に大事で、自分たちにとっての常識を押し付けてはいけないということを再認識しました。またドナー中心的な国際援助ではなく、受益者のニーズの考慮が必要であり、そのためにも今回のワークショップのように、まさにローカルレベルの声をグローバルに反映させる仕組みの重要性を感じました。SDGsの目標設定に関して、一つ一つの目標の達成可能性を下げてしまうかもしれないが、目標対象の幅広げて多くの世界的な課題を考慮するべきなのか、それとももっと一つ一つの目標の「達成」という部分に重きを置くべきなのかについては、個人的に非常に考えさせられました。そして特にMDGsやSDGsに対する市民の認識・興味、これらに対する積極的な参加というのは、直近の課題であるとも感じました。帰国し、今後の活動や自分の思考に、今回のワークショップの経験が良い意味で影響を与えてくるのではないか、と期待と確信が入り混じったような気持ちでいます。
最後に、自分を信じ、このような素晴らしいプロジェクトに参加する機会を与えてくださった阿部先生、Annaさん、現地で、観光、言葉などいつも近くで多くのサポートをしてくださった平井さん、共に準備やみんなの前でゲームを披露し、飛行機遅延でスラバヤから東京まで27時間の長旅を共に過ごしたSayoriには、心から感謝をしています。そしてエキスパートの皆様、ワークショップに参加してくださった住民の皆様、本当に素晴らしい機会をありがとうございました。
以上が、POST2015 – Project On Sustainability Transformation beyond 2015‐のワークショップに関する報告となります。長い文章でしたが、最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。
集合写真