アーヘン(Aachen, Germany)での研究と阿部研究室

お久しぶりです。

阿部研究室、M1の片谷です。

現在、私はドイツのアーヘンという都市にあるRWTH Aachen University(アーヘン工科大学)にて東工大の交換留学プログラムを利用し、昨年の9月から1年間の予定で、研究をしています。

以前のブログにも書きましたが、具体的には、アーヘン工科大学のE.ON Energy Research CenterにあるFCN(Future Energy Consumer Needs and Behavior: http://www.eonerc.rwth-aachen.de/aw/cms/website/zielgruppen/~shg/fcn/?lang=en)というグループに参加し、授業を受けつつ研究を行っています。

E.ON Energy Research Center(E.ON ERC)はドイツの4大電力会社の一つである、E.ONによって出資されている研究機関で、国際開発工学専攻のように、4つの異なる分野(具体的には電気・情報工学、機械工学、経営・経済学、材料工学)を背景に持つ5つの研究室から構成されており、各研究室がエネルギーに関係した研究を行っています。

国際開発工学専攻ができた背景と同様に、E.ON ERCの設立には、エネルギーに関する現在の問題・課題に対して、一つの視点からではなく様々な視点から対処し、解決策を考えるべきである、という背景があります。

FCNはエネルギー経済学を主に扱っており、消費者の観点から見た将来のエネルギーの在り方や、自然環境や経済性考慮に入れた最適なエネルギー政策を研究・提案しています。

FCNでの活動にも共通することですが、阿部研究室では、技術(ハード面)だけでは対処できない諸問題に対し、主に経済学の観点(ソフト面)からのアプローチにより、解決策を模索・提案することをしています。

ソフト面からのアプローチの例として、昨年7月から日本で開始された再生可能エネルギー法案の固定価格買い取り制度(Feed-in Tariff: 太陽光発電や風力発電によって発電された電力を決められた価格で買い取ることを保証した政策)により、まだまだ問題はありますが、太陽光発電施設への投資に対するインセンティブが働き、昨年度は太陽光発電の容量が大きく増加しました。もちろん、政策の決定には太陽光発電等の現在の技術レベルが反映されています。

電気等、経済活動や日常生活に必要不可欠になっているエネルギーは多くの問題を抱えています。化石燃料や再生可能エネルギーなどに対する関心は、これから先さらに高まるでしょう。私が現在興味を持ち、研究している分野はドイツの電力市場についてです。また、風力発電や蓄電池に関しても同様に強く興味を持ち、私たちを取り巻いているエネルギーが将来どのようになっていくのかを考えています。

EON ERC

(出典: E.ON Energy Research Center)

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