山口訪問

B4 海宝です。

小水力発電と蓄電池の視察のため、私と阿部先生は12/6、12/7に山口県を訪れました。山口では、山口県農林水産部農林整備課の井川康司さんに案内していただけ、小水力発電の農業用水路への導入例を視察させていただきました。

12/6早朝の飛行機で山口宇部空港に到着。そこから車で、待ち合わせの場所である周南総合市庁舎へ向かいました。13時に到着し、食堂で昼ごはんを食べた後に、井川さん、そして周南市の三牧さんとお会いし、井川さんが推進している小水力発電事業について説明をしていただきました。

資料までたくさん用意していただき、時間をかけて説明していただいたためとてもわかりやすかったです。井川さんのプロジェクトにかける情熱も伝わってきます。

写真(上)は周南市庁舎にて記念撮影。

写真(上)は周南市庁舎にて記念撮影。

写真(上)は外観です。僕の町の庁舎よりもずっと綺麗。。。

今回視察させていただくプロジェクトは、県の農林整備課が推し進める小水力発電のプロジェクトです。ここでいう水力発電は一般的に想像するダムのような巨大なものでなく、数kW、つまり数家庭分の電力を供給するものです。ですが普段使用されない農業用水路をうまく活用し、農業と水力発電という不思議な組み合わせを実現させました。

*周南市の通学路を照らす小水力発電。リンクはこちら⇩

http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/press/201501/030115.html

まずは1件目です。

車で30分ほど走ると、周南市郊外の四熊井谷地区につきました。やまぐち棚田20選に選ばれるほどのとても綺麗な田園風景です。

こちらで小水力発電の設置者である水井さんと合流し、いろいろとお話を聞かせていただきました。

下の写真がこちらで設置された小水力発電です。4.8Wの出力を持ち、28Ahの蓄電池と併用することで10Wの照明を動かしています。四熊井谷近辺の学生が毎日自転車や徒歩などで通学する中で、真っ暗な帰り道を危険と感じ、水井さんはこの案を思いついたのだと言います。ネットで公表された小水力発電の導入事例を見て、井川さんに連絡したそうです。水井さんのアイデアと井川さんの実行力がうまく合わさって生まれたプロジェクトなんだと感じました。

二件目は山口市阿東町に訪れました。こちらでは農業用パイプラインを利用した3.7kWの小水力発電を視察しました。

説明の際には阿東土地改良区理事長の三浦さんとお会いでき、

現場には工事の施工者である大晃機械工業の浦里さんにも同行していただけました。

大晃機械工業は山口に本社を置き、ポンプを主要製品としています。発電はポンプ逆転水車を採用していて、そこに大晃機械の技術が生かされています。小水力発電を手掛けるのは初めてだそうで、試行錯誤の連続だったそうです。

現場では技術の話を中心に聞かせていただき、私にとって専門家の方の話をうかがえるとても良い機会となりました。

日本は水資源が豊富なので小水力発電には高いポテンシャルが期待されています。しかし小水力にはコストの壁や電力システムの壁、水利権などの法律の壁など多くの障害がまだあるようです。山口の事例では、大晃機械さんのコストを下げる技術力、水利権の関わらない農業用水路を活用するという工夫により小水力発電を実現させています。

今回の訪問で私が特に感銘を受けたのは、農業用水路のような既存資源を利用しようという精神と、農家の方、県庁、メーカーという様々な人が協同することによって資源のマッチが実現されていることです。日本の地方にはまだまだ活用できる資源がたくさんあるのだと思います。そういった資源に目を向けている方の話をもっと聞いてみたいと思いました。

最後に、今回お会いした周南市の三牧さん、四熊井谷地区の水井さん、阿東土地改良区の三浦さん、大晃機械工業の浦里さんそして2日にわたり案内をしていただいた山口県農林水産部の井川さんに感謝いたします。貴重なお話をたくさん伺いありがとうございました。