川俣町インターンシップ記録③【シャモロボコン】

みなさん,こんにちは!石尾です.

さて,今回は昨年度3月に実施した「シャモロボコン」,そして現在企画中の「第1回川俣シャモロボットコンテスト」についてお話します.

まずは,「なぜシャモ(軍鶏)なのか」,川俣町とシャモの関わりについてから述べます.

前の記事に書きましたが,かつて(もちろん現在も活躍している企業はありますが)川俣町は絹織物の町として栄えていました.そして,裕福な絹織物屋の間で流行したのが,シャモの闘鶏でした(江戸時代の話です).

時は流れ,前々町長の時代,前々町長は非常に食通で鳴らした方で軍鶏鍋も数ある好物の一つでした.彼は軍鶏鍋を常食するため,知り合いの農家に会ってはシャモを飼育するよう頼んでいたそうです.そんなある時ひらめいたのが,このシャモを川俣町の伝統と結び付け,町おこしに活用できないかというアイデアだったのです.1983年頃の話だと言われています.

それから,川俣町では肉の美味いシャモを生産すべく,配合についての研究が続けられました.こうして誕生したのが川俣シャモであり,川俣町及び川俣町農業振興公社は,まちおこしのために,川俣シャモを利用した事業を展開してきました.

具体的には全国各地の食のイベントへの出展,川俣シャモを利用した新商品の開発,春と夏,年二回の川俣シャモまつりの開催を行ってきました.特に,夏の川俣シャモと祭りにて行われる「世界一長い焼き鳥」は,ギネス記録を獲得するなど注目を集めていました.

そのような背景がある土地に,やって来たのが,私の所属する東工大国際開発サークルのメンバーと,東北大,福島高専の有志学生達でした.

我々のチームは,東工大130年基金の補助を受け,川俣町で子ども向けのものつくりワークショップを行うことになっていました.せっかく川俣町でやるのだから,有意義かつ川俣町ならではの企画にしたいと思い,3泊4日の調査合宿を行いました.その合宿の中で,参加メンバーの口からポロリと出てきたアイデアが「シャモロボコン」だったのです.単純に,川俣シャモと高専ロボコンというキーワードが組み合わさってできた言葉でしたが,妙にメンバーたちを魅了しました.

「シャモロボコン」という魅力的なアイデアを手にした私たちは,勢いづきました.対象は小学校高学年,私たちの記憶が正しければ,最もロボットバトルを欲している年頃です.彼らには,まずシャモと川俣町の関わりに関するレクチャー,制作するシャモ型ロボットの工学的面白さに関する説明,シャモ型ロボットの組み立て,シャモカレーの実食,チームごとに組み立てたシャモ型ロボットを利用した,ロボットバトル,「シャモロボコン」の開催を体験してもらうのです.この中で彼らに,楽しみながら川俣町のシャモ文化について学び,工学・ものつくりに対する興味・関心を高めてもらおうという狙いがありました.

準備期間は約2週間とかなり厳しいものがありましたが,川俣町教育委員会,生涯学習課,おじまふるさと交流館,東工大130年事業事務室の皆様の協力もあり,我々は,シャモ型ロボットの開発,キット化に成功,無事,最初の「川俣シャモロボコン」を開催することができました.

この流れを何とか次につなげたい,シャモロボコンをより有意義なものにしたい,より良いロボットを作りたい,川俣シャモ振興に役立てたいという思いから,第2回を開催したいなあ考えていた折,その旨を役場の皆様にお話してみたところ,あれよあれよと言う間に,話が進み,夏の川俣シャモまつりのイベントの一つとして,「第1回シャモロボットコンテスト(正式には2回目ですが,これが第1回目となります)」を開催することになりました.

現在は,資金獲得のための各種申請,関係各所との打ち合わせを行っている段階です.このシャモロボコンを成功させ,向こう3年間は継続させる目途を立てること,これも私のインターン中でのミッションの一つとなっています.

石尾