持続可能な開発のための教育

ご無沙汰しております。B4の国分です。

学部の卒論などがひと段落し、来週の卒業式を残すのみとなりました。ここで振り返ることはしませんが、非常に充実した学部だったと思います。私は4月からも修士1年として引き続き本研究室に残りますが、今月で何人かの先輩方がいなくなってしまうのはさびしいものです。卒業式の模様は後日掲載したいと思います!

現在、阿部研究室にはICL (Imperial Collage London)の博士課程の方を2名迎えています。そのうちの一人で、ギリシャ出身のVacilikiさんは持続可能な教育(以下、ESD: Education for Sustainable Development)の研究をされています。今週の3/20(火)に私はVacilikiさんの通訳として、SDGsに取り組む江東区立八名川小学校を訪問し、手島利夫校長にインタビューをしてきました。本記事ではその時の様子を振り返っていこうと思います。

八名川小学校は、昨年12月末にSDGsの推進に顕著な功績があった団体を顕彰する「第1回ジャパンSDGsアワード表彰式」で特別賞を受賞した小学校です。数年前からユネスコスクールとして、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の提唱するESDの実践をしてきました。全国の自治体や企業、ボランティア団体などの中から12団体が表彰され、その中の1団体として受賞を果たました。どのような取り組みをしているのでしょうか。

八名川小の最大の特徴は、年に1回開かれる「八名川まつり」です。この「八名川まつり」では数人のグループあるいは個人が、クラスごとに決めたテーマについて1年間準備をし、当日に来場者にプレゼンをするという催しです。プレゼンの原稿や資料は生徒自身で作成します。生徒たちは、自分たちが興味を持ったことについて主体的に考え、調べ、準備をします。プレゼンの練習では互いに発表をし合い、互いに良かった点や改善点をフィードバックをしていくそうです。大学生も顔負けの取り組みで、私自身本当に驚きました。

この「八名川まつり」につながる重要な役割をになっているのが、「総合」の時間です。読者の皆さんも小学校時代にあったのではないでしょうか。この時間で何をしたか覚えていますか?私はあまり覚えていませんでした笑

八名川小では、この「総合」の時間は「国語」「理科」「生活」「体育」などの個々の授業を横断的につなげる時間なのだそうです。一見すると、全く別の分野に見える科目がつながっていることに気付くことが非常に重要であり、生徒がその点に気付くと、学ぶことの意味や意欲が自然と湧いてくるのだそうです。先生が生徒に教えるのではなく、生徒が自分でそういったつながりに気付けるようサポートする時間が八名川小での「総合」の時間なのです。このようにして培った問題意識が「八名川まつり」で活きてくるのですね。

繰り返しになりますが、八名川小では生徒が主体的に問題意識や好奇心をもつことを重視しています。時間こそかかりますが、こういった力を育む教育こそが持続可能な社会を築く上で非常に大事なのだと感じました。

SDGsは17つの目標に細分化されていますが、手島校長は教育こそがすべてのSDGsの目標を達成していく中での根幹であり、SDGsを横断的につなぎ合わせるものだとおっしゃっていました。学校の廊下にも次のような図が掲載されていました。

SDGsにおける教育の項目であるSDG4が中心にきており、それが他の16つの目標をつなぐ土台となっていることを意味しています。

最後に記念撮影をしてので、そちらも掲載させていただきます。

今回訪問させて頂いた八名川小学校の皆様、そして手島校長、大変にありがとうございました。私も自身の研究などを通して持続可能な社会に貢献できるよう頑張っていきます!

国分紘一郎