皆様、こんにちは!
石尾です。
この記事では、マーシャル諸島滞在4日目(実質的には3日目)について書きます。良かったらご覧ください。
3月24日(土)
二日酔いで痛む頭を抱え、午前中は、マジュロ市内にある飲料水会社、Pacific Pure Water Incを訪問します。
オフィスはUliga地区、Uliga Innのそばにあります。入ってすぐは売店になっており、560mlのミネラルウォーターが確か75セントくらい(すいません、メモを無くしてしまいました)、1ガロンのケースが1.85$、その他3ガロン、5ガロンのボトルが売られていました。また、名物、パンダナスジュースがあります。パンダナスについては詳しくは書きませんが、橙色のジュースで、非常に甘く、おいしいですが、やや青臭いです。これをシャーベット状にして飲むのが特においしいらしいです。人気商品で良く売り切れていました。
この会社のつくる製品は、マジュロ市内の商店では良く目にしました。マジュロ市内のみの販売で、同じマーシャル諸島内のその他の環礁に輸出などはしていないようです。もちろん個人で持っていく方はいるそうです。右下の小屋の中にポンプがあります。この会社の工場の裏手にある井戸から真水をくみ上げ、これを浄化、そしてボトリングします。浄化装置やボトリングマシンは企業秘密のため写真撮影することは叶いませんでしたが、10名ほどの従業員が、ラインに並び、中国から輸入したペットボトルに水を詰め、蓋をし、ラベルを張るという作業を行っていました。環礁においてはよく、淡水レンズという形で、地下に真水が蓄積されます。マジュロにおいては、ローラ地区に有名な採水場があるらしいですが、ウリガ地区にもこのような小規模な井戸が存在するようです。マーシャル諸島国内で定められている水質基準を満たすよう皆注意しています。
この日の午後、私は、一度このマジュロ環礁を一周してみようと考えておりました。
マーシャル諸島は大小約34個の環礁から構成されている国です。私の滞在しているマジュロはマジュロ環礁にある、マーシャル諸島の首都です。マジュロは5つの地区に分けることができます(地図中:リタ地区・ウリガ地区・デラップ地区・ロングアイランド地区・アルジャタケ地区・ローラ地区です)。もともと64個の小島から構成されていた環礁らしいですが、今はかなりの部分が陸続きになっています(地図中黒く塗った部分)。
私が滞在しているUliga Innがあるのはその名の通り、ウリガ地区です。ウリガ地区にはスーパーマーケットやホテルなどが多く、マジュロの中でも特に栄えている地区です。その隣のデラップ地区には官公庁等施設が多い地区・政治の中心地です。その隣、ロングアイランド地区には空港があります。
今回は、タクシーでウリガ地区から、ローラ地区の先端にある、ローラビーチを目指します。こうすればリタ地区以外のすべての地区を網羅することができます。と言いますのも、ローラ地区からリタ地区まで一本の大通りが通っており(特に、ロングアイランド地区とアルジャタケ地区にはこの道一本しか道路が無い)、島の幅は狭く、町はこの通りに添って構築されているためこの大通りから町のほとんどの部分を見渡すことができるのです。
写真の彼は、タクシードライバーのモートンさんです。アルノ環礁から、新しい舟を買うために出稼ぎにきています。娘さんの家で暮らしているそうです。最後のお客を降ろし、屋根のランプを外すと貸切になります。これから、彼との二人旅が始まります。
ずっとこのような景色が続きます。国会議事堂です。入館するには、長ズボン、襟付きシャツ、靴を履いていかなければなりません。まあ、当然ですね(マジュロではほとんどの方が半袖半ズボン、草履履きです)。デラップ地区を過ぎると、人通りもまばらになってきます。ロングアイランド地区、空港を過ぎるとアルジャタケ地区に入ります。アルジャタケ地区からは、緑生い茂る、いかにも南国といった光景を目にすることができます。途中、マジュロ平和公園に立ち寄りました。ローラビーチまでは、ホテルから車で1時間15分程かかりました。スピードを出しすぎないように、道路の中にハンプ(かまぼこ状の突起)が設けられています。スピードを落とさなければ、ものすごい衝撃が車体に走り、車は壊れてしまいます。ただ、アルジャタケ地区からは、天然のハンプが多数というか、かなり道が悪く、途中何度も車から何らかの部品が落ちるような音を耳にしたような気がしました。
そして、これがローラビーチです。ローラビーチ公園の一角にあります。講演への入園料は一人1ドル、運転手さんの分もかかります。近所の小学生が先生と泳ぎにきていました。人はまばらで、数家族がバーベキューをしたり、バレーボールをしたりしています。ゆったりとした時間が流れている場所でした。ここに来るまで、海が近いにも関わらず、あまり泳いでいる人を見かけませんでした。なぜでしょうか?
この日は土曜の午後と言うことで空いていましたが、モートンさん曰く、日曜はものすごく賑わうそうです。後述しますが、マーシャルの人々にとっての良い日曜の過ごし方とは、午前中に家族で教会でお祈りに行く、午後はその足でローラビーチまでドライブを楽しむ、というものだそうです。
ビーチには波に洗われ、根がむき出しとなった結果倒れてしまったヤシの木をいくつか見ました。温暖化による海面上昇の結果こうなったのだという説をチラホラ耳にしましたが、現地の人は懐疑的というか、あまり気にしている風ではありませんでした。
日が傾き始めたころ、家路につきます。クタクタです。モートンさんとアルノ環礁での再会を約束、別れます。クタクタですが、せっかくなので、夜のマジュロを徘徊(チャンポ)します。
驚いたのが、子どもが結構夜更かしで、暗闇の中外で遊んでいることです。道行く人に挨拶をしながらうろついていると、何人かの若者に日本語で声をかけられました。見知った顔もあります。彼らのうちの一人は結構酔っています。マーシャル諸島では、飲酒と喫煙はあまり良いこととはされていません(喫煙は18,19?から、飲酒は21からですが)。私の腕をつかんで離さない酔った若者は泣き上戸で、酔って泣きながら、なぜか私に人生相談をしてきました。大学卒業後の進路についてです。彼は米軍の兵士になるべきか、マジュロに留まるか悩んでいました。私にこのような深刻な問題が答えられるわけがありません。詳しくはありませんが、マーシャル諸島からは、米軍に簡単に入ることができるようです。
1時間くらいずっと同じ話を繰り返す彼を、彼の友人たちが苦笑いをしながら引きはがし、私はようやく帰ることができました。
つづく