[Report] Nordic Green Japan 2013

M1の片谷です。

2013年10月24日に開催されたNordic Green Japan 2013に参加してまいりました。

Nordic Green Japanは2011年にも、北欧5カ国(ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、アイスランド)と日本の電力市場、再生可能エネルギー、スマートグリッド等を中心に情報共有の場として開催されており、今回は2011年以降に関心が寄せられ、最近ニュースになっている電事法改正案の中身である発送電分離等に関した講演も行われました。

北欧における電力源構成は水力発電施設が占める割合が高く、また、デンマークでは風力発電が全電源容量の3分の1占め、再生可能エネルギーが重要な役割を担っています。

北欧では、ドイツなどが参加しているEEXのような電力市場(Nord pool)が設置されており、発送電分離がすでに為されています。基調講演ではデンマークのTSOであるEnerginet.dkからMr. Peter Jorgensenが登壇し、Nord poolの設立までの経緯や今後の欧州における送電網について講演をされました。

Nord poolもEEXと同様、Spot market、Intraday market、reserve marketによって構成されており、Spot marketで取引されている電力は全体の77%(2012年時)と、EEXでの約40%(2012年時)、日本電力取引所(JEPX: Japan Electricity Power Exchange)の0.5%(2011年度)と比較しても、高い流動性があることがわかります。

電力市場改革とガバナンスということで、これから日本で実施されていく予定の発送電分離、電力小売全面参入・取引自由化について経済産業省の山崎氏、富士通総研の高橋氏の両名が、北欧の電力市場の話を交えつつ紹介されました。講演の中では、発送電分離に際して新たに設置される広域系統運用機関(OCCTO)の役割が強調されており、現在の10電力会社が10TDSOs(Transmission and Distribution System Operators)になることで地域内の送配電網管理を実施し、これらのTDSOsをOCCTOが管理する構図になるようです。

講演内容の資料、講演会の様子は以下のURLで見ることができますので、興味があれば是非。

http://nordicgreenjapan.org/