北海道風力発電研究会

M2 佐藤です。

11月10日~12日の期間に、北海道寿都郡寿都町にて北海道産業保安監督部が主催する風力発電研究会に参加してきました。

今回の研究会では、

①故障・事故発生事例の共有

②故障・事故発生実態の継続調査結果の報告

③寿都町での保守運営システムの紹介

④東京工業大学での研究結果の報告

の以上、4点が発表されました。

ポイントを押さえて報告すると、

まず、故障・事故の事例では、ブレード、発電機での故障事例に焦点が当たっていました。風力発電の核となる「ブレードで風受けて、発電機を回して電気を作る」作業を担っている部分なので、当然と言えるでしょう。具体的には、機械式ブレーキの動作を解除したために、台風での過回転による発電機の焼損事故等が起こり得ます。

次に、故障・事故の調査結果では、故障対応の早期化(1週間以内の復旧が増加、在庫での故障部品の調達の割合が増加など)が数値となって表れていました。風力発電産業全体で、メンテナンスの蓄積がなされていることが実感できる報告書でした。

三つ目は、寿都町の事例紹介として現在運営中の9基の風力発電所での稼働率向上施策や、保守点検の契約体系などが共有されていました。合間では、札幌テレビの「北海道の力」で紹介されたテレビ番組が紹介され、一度は失敗した風力発電事業を、新たに復興し年間8500万円の利益を上げるところまで成長した経緯が紹介されていました。

こちらサイドからは、風力発電設備の故障・事故における生存時間分析ということで、継続研究の結果を報告する機会をいただき、貴重なコメントも多数いただきました。

 

総論として、風力発電の運営ノウハウは日進月歩で蓄積されており効率的な運営が追求されていると感じました。その中で、寿都町のような風況が非常に良い地域での成功例が風力発電の拡大に一役買っているのだと実感できました。

今後、エネルギー資源の乏しい日本では、エネルギー自給率の向上が長期的課題になっています。その中で再生可能エネルギーの果たす役割は大きく、太陽光だけでなく、風力、地熱などその他の資源を余すことなく使っていく必要性が出てくるでしょう。研究活動を通して、そういった社会の流れを少しでも加速していきたいと再確認できた研究会参加となりました。

佐藤好浩

参考

北海道の力 ~風を味方に~

http://www.stv.ne.jp/tv/dnews/power/index.html?idno=20100929222410

 

北海道寿都町 風太風力発電所にかかった虹

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新たに建設予定の風力発電機工事現場

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