東アジア研究所シンポジウム「躍進するアジアと日本の挑戦」

町田(M1)です。今日は、午後に慶応大学三田キャンパスに東アジア研究所シンポジウム「躍進するアジアと日本の挑戦」を聴きに行きました。途中で退席したのですが、内容を書いておきます。

http://www.kieas.keio.ac.jp/information/000151.html

プログラムには、アジアの過去60年間における歴史的な構造と政策の変化の中に現在の近未来を位置づけると有り、今後のアジアの新興国と日本はどうつきあうべきなのかについての話が聞けるだろうと期待していきました。緒方貞子JICA理事長や恒川恵一JICAの研究所長、五百旗頭真防衛大学長などのビッグネームがいらっしゃっていましたが、実際の内容としては緒方氏の提案でロバート・スカラピーノ氏の訳書「アジアの激動を見つめて」の出版を記念した評論会として企画された様子で、スカラピーノ氏についてやもともとの専門でらっしゃる国際関係の観点からの話がほとんどでODAなどの話は限定的でした。

緒方氏の基調講演では、中国とのエチオピアでの道路建設、韓国とのモザンビーク・タンザニアでの電力・道路開発などの例を挙げ、新興ドナーとの協力を進めていく意義についても話をしていました(※)。また、スカラピーノ氏の著作に、国家主権同士の安全保証だけではなく「人間の安全保障」の観点の重要性が早くから指摘されていることに触れ、彼の先見性について述べられていました。

五百旗頭氏は、戦後アジアの統治において、アメリカ国内にあった民主主義の原理主義を抑え、様々な政治体制を受け入れる必要があると、現実路線を主張したイザヤ・ボウマンなどの話を出して、アジアの多様性や戦後外交について述べられた。

今回のシンポジウムは、地域研究や国際関係、外交が専門の方の話だったので、ここまで語り口が異なるのかと思うくらい、普段自分の大学の先生型とはみなさん違う話し方をされていた。また、世界史を高校でとっていなかったので、付いていくのがやや大変だった。ODAは日本の国益とどう結びつけるか、その外交的な視点も重要になるので、今日のような話も大事だと思いました。

※関連情報:「東アジアのドナー連携深化に向けて-緒方理事長が韓国、中国を訪問」、2010年09月07日

http://www.jica.go.jp/topics/2010/20100907_01.html

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