M3栗山です。
木質バイオマスのニュース。
被災地のがれき処理としては資源の有効活用として効果があると思うが、
木質バイオマスの普及拡大になるのかは疑問だと思う。
なぜなら、木質バイオマスを安定的に稼働させるには、安定的な燃料、つまり、ペレットやチップが必要であるからである。そしてペレットやチップは、丸太を製材などに加工する際にでるおがくずや廃材を使わないと採算が合わないし、適切な木材利用とは言いがたい。
つまり、短期的には木質バイオマスの燃料は被災地から出るが、被災地のがれき処理が落ち着いたあと、どうやって木質バイオマス発電を運営していくか戦略が必要。そうでなければ、バイオマス・ニッポンのようにプロジェクトを継続できなくなると思う。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/110509/bsc1105090503003-n1.htm
追記
森林ジャーナリストの田中淳夫さんがすで似たような記事を書いていた。
http://ikoma.cocolog-nifty.com/moritoinaka/2011/05/post-6932.html
私も彼の本や記事をよく参考にするので、考え方も似てくるのか?
田中さんはさらに、木質バイオマス発電ではなく、バイオマスの熱利用を提唱している。たしかに、木質バイオマスは熱利用のほうが使いがってが良いのであった。
バイオマスは輸送経費が高いので基本は地産地消が原則である。地産地消になると、大規模化できないので発電効率はおちるであろう。だから、バイオマスの熱利用のほうがいいのである。
例えば、スウェーデンのヴェクショー市では市の熱エネルギーの82%がバイオマスである。もちろん、森林大国で寒冷な気候であるという有利な条件はあるが。
www.vaxjo.se/upload/11975/Climatestrategy20ofVäxjö.pdf
Written by 栗山昭久