都市大気の乱流構造 −PIVによる可視化・計測−

 


平成18年7月27日 更新



1.背景

都市域で排出される熱・水蒸気・COは乱流によって大気へ輸送されます。
大気乱流には組織構造があることが近年の研究で知られてきており、この乱流構造
がエネルギーや物質の輸送のほとんどを担っています。ところが、実際の都市上空で
はどのような乱流構造が発達しているのかは明らかになっていません。

そこで本研究室では、風洞実験などで用いられているPIV法を屋外乱流に適用し、実
都市の乱流構造を可視化することにチャレンジしています。






2.PIV法とは?








3.研究の進捗状況

屋外にPIV法を適用するといっても容易なことではありません。そこには
様々な困難が待ち受けています。
例えば、
 ・煙の種類、出し方
 ・レーザーシートの強度、当てる方向
 ・ビデオカメラの解像度、コマ数、撮影方式
 ・大容量画像ファイルの連続取り込み ・・・etc


現在、これらの問題を検討するために、屋外都市スケールモデル「COSMO」
において様々なチェックを行っています。





下のアニメーションは、レーザーシートによって可視化された乱流の構造です。
組織化された乱流渦が移流されている様子がよく分かります。






そして、これらの乱流渦が動く様子から、風ベクトルが計算できます。


 




4.今後の展望

現在はまだテスト段階ですが、今後は以下のようなことに着目しながら、 研究を深めて
いきたいと考えています。 

(1)乱流構造のサイズや傾きを定量的に評価する。
(2)乱流構造が風速の強さや大気の安定度によってどのように変化するかを調べる。
(3)裸地や植生において報告されている乱流構造と異なる性質をみつける。


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