大気環境と都市幾何構造の関係
−1/50スケールモデルを用いた実験−

平成18年10月26日 更新


         

実験風景 
日本工業大学の敷地内で実験を行っており、100m x 50m の敷地(写真奥)に1辺が1.5mのコンクリートブロックが512個並べられています。その隣(写真手前)には1辺が0.15mの1/50スケールモデルがあります。
1/50モデルには幾何構造の影響をみるために、二種類のモデルがあります。

右の図は配列変化の例です。




1.背景とねらい

都市構造と水・エネルギー強制力の因果関係をシステマティックに把握するためには、非一様性・不確定性の強い現地での観測に加え、よく制御されたモデル実験が必要不可欠です。そこで、屋外空間に準実スケールのモデル都市を作成し、自然気象条件下で都市幾何構造や植生配置を変化させ、これらが水・エネルギー強制力に及ぼす影響を明らかにしようとしています。

これまでは均一な幾何配列にして、様々な基礎的検討をしてきましたが、本研究では、建物配列の幾何構造を変化させたときに、気流や熱環境がどのように変化するかを調べることにしました。そのため、複数の異なる幾何配列群を作成し、同じ気象条件下での計測を行います。

1/5スケールモデルのコンクリートブロック(1個2.5ton!)を移動させるのは大変なので、1/50モデルを使って実験を行います。ブロックの高さや間隔などを変化させ、基準配列と比較しながら実験を行います。そして、乱流特性(各種乱流統計量・スペクトル)や熱収支や地表面パラメータ(抵抗係数CD,粗度zm,zT,バルク係数CHなど)を調べます。



2.サイトの増設工事

サイトの増設工事を以下のように行いました。


@ この場所にサイトを増設します        Aコンクリート平板を打設しました
    


B白く見えるのが増設したサイトです      C平板の塗装作業のようす
    


D塗装完了                      E ブロックも並べました
    


F 熱電対や超音波風速計などを設置して、やっと実験開始!
     





3.研究の進捗状況


まず第一段階として、新サイトと旧サイトの幾何配列を同じにして、大きな違いがないか基本的なチェックを行っています。
また第二段階として、以下の図に示すように、建物の高さにばらつきをもたせ(均一配列と同じ平均高さ)、様々な気象条件下におけるデータを収集中です。






結果については続報で紹介していきます。 お楽しみに。


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