東京湾の海表面温度および気温の現地観測
−航路ブイを利用した水平分布計測−

この研究は小田さん(D1)のテーマです。

平成18年11月1日 更新

   

図 水温・気温計の設置地点 と 設置状況




1.背景

首都圏に隣接する東京湾は都市の大気環境に重要な影響を及ぼし得ます。しかし、気象庁が行っているAMeDASの地上観測データのようなデータベースは存在せず、東京湾上は気象データの空白域と言っても過言ではありません。
そのためか都市圏に隣接した水圏(東京湾)が周辺大気にもたらす環境影響については詳細に議論されてきませんでした。

神田研究室では、千葉波浪観測塔において海表面熱フラックスの現地計測を行い、東京湾海上−大気間の熱・運動量・CO2フラックスを定量的に調査したところ、東京湾は(特に冬季に)熱や水蒸気の発生源になっていることを明らかにしました。また都市域で排出されたCO2の吸収源としての役割を持つことも明らかになってきました(詳しくは小田ら(2006)をご覧下さい)。

これらの研究をさらに発展させるため、今度は、表面水温に着目し東京湾全体をカバーするような領域での計測を開始しました。
表皮水温や湾上の気温は、大気環境に直接的に影響する重要な物理量です。これらを10分間隔で、年間に渡って、さらに湾全体をカバーするように計測を行います。
このような時空間的に稠密な観測データは前例がなく、日本の科学技術において貴重なデータベースになることは間違いありません。





2.計測機器の設置

計測機器の設置には、東京湾内の灯標・浮標などを使わせていただきました。
観測許可申請のため、各自治体の港湾局、海上保安庁など多くの方々にご協力をいただいております。
小田さん、お疲れ様でした。

以下のような水温計と気温計を設置してきました。
10分に1回のペースで計測値をメモリに保存しています。





















3.今後の予定

現在は設置を終えたところで、これからデータを蓄積していくという段階です。
月1回のペースでデータ回収に行く予定です。 データ解析が進んだら、続報にてお伝えしていきます。






4.おまけ

各設置場所の写真集です。 いろいろな形の浮標や灯標があり、マニアには必見です。
























































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