Dr.中野のShinさんのための?)講義at 1999.3.11 13:00

M.S.Daw and M.I.Baskes, Phys.Rev.B, vol.29 No.12, pp.6443-6453(1984)

における式(6)の導出

−高橋のメモから高橋がアレンジ(間違っていたら高橋の責任)−

 

変数の定義:

変位; … テンソル.i,jは各々x,y,zとみなしていい.

座標系は任意の方向に取ることができる.

… ある原子を原点においた時,

他の原子の変位テンソル.i,jは各々,x,y,z

は各原子につけた番号.

は平衡状態における

歪み;

但し,

この意味は(中野流では),は独立に9個とることができるが,実際には6個.アンチシンメトリックなはちょうど3つあるので,これを適当に決めていい.だったら0にしよう.

桃園のコメントでは,rotation成分.

高橋は,当初,であること同義と思っていたが,この関係は定義した時点で満たされるので,同義ではない(納冨の指摘があった.).おそらく桃園のコメントのようにrotationに対して,不変という関係から出てくるのではないか?と思うのだが…物理的なイメージを掴む必要があるので,そのうちやっておく必要がある…いつできるか…

 

 

式の導出:

無限固体の全エネルギー個の原子からなるとすると

ある原子1個あたりのエネルギー

但し,はその原子から別の原子までの距離で,はその原子以外の全ての原子に対する合計を取る.

すると系の「平衡条件」は

である.ここでは歪みテンソル.i,jは各々x,y,zとみなしていい.座標系は任意の方向に取ることができる.

であるので,

 

 

が平衡条件と同義となる.これは,歪みテンソルの各成分で偏微分しているが,原子の位置で微分する形に持ち込みたい.そこで,上で決めた,変位と歪みの定義式を使う.歪みは全原子の変位で決まるから,上の式を原子の位置を経由したした微分の式にかえてしまう.

 

 

この式での項から料理する.

上の定義より,

2つ目の等式の証明は証明1に示す.

次に,の項を料理すると,

さらに変形して

なので

なので

従って平衡条件は

但し,平衡状態において,に注意.kに付いてのsummationk=iの時以外,クロネッカーのデルタが0となるので,

以上.

 

 

 

証明1:

上の式(  )から,

両辺をで微分すると,

最後の等式に注目,

より

従って,

証明終わり.