Takagi Labo, Tokyo Tech

Research

研究成果紹介

研究成果の大部分を海外の学術論文に投稿しています。日本の論文をないがしろにしている訳ではありませんが、英語で書いたものを日本語に、あるいは日本語のものを英語にして投稿するのは、二重投稿に該当し、認められないことが多くなってきました。また途上国を研究の主フィールドにしていることもあり、日本語では読者が限られてしまうため、結果的に英語論文が増えてきています。そこで、ここでは最近発表した主要な論文をできる限りわかりやすく紹介したいと思います。

 

Mangrove forest against dyke-break-induced tsunami on rapidly subsiding coasts , Nat. Hazards Earth Syst. Sci., 2016, DOI: 10.5194/nhess-16-1629-2016

この研究は,インドネシア・ジャカルタで,今の日本ではありえない薄っぺらい壁でできた海岸堤防に出くわしたことがきっかけです。単に薄いだけではなく,その堤防に守られている背後の密集集落で猛烈な地盤沈下が進行中です。ジャカルタ全体で地盤沈下は進んでいますが,多分この辺りが一番著しいと思われます。実際に標高を測量してみたところ,海面下3メートルくらいに集落が広がっていました。さらに恐ろしいことに堤防のつなぎ目からは目視でわかるくらい水が漏れており,その薄い堤防には大きな作業船がいくつも係船されていました。もし,このまま地盤沈下が止まらなければ,海水を防ぐためさらに嵩上げがなされ,継ぎ足し継ぎ足しで,そびえ立つ「スーパーカミソリ堤防」になってしまうと危惧されます。万が一,この壁に船が衝突するような事態が発生すれば,耐え切れず,堤防が破堤するかも知れません。この論文では,堤防が破堤するとどのような威力の洪水が発生するかを解析しました。予測結果が示す状況は,穏やかにじわじわ浸水していくような状況ではなく,かなり勢いの強い流れが短時間に細い路地の隅々まで流れこむ深刻な状況でした。ちなみに,このようなタイプの洪水にあてはめる用語が存在しなかったため,dyke-break-induced tsunamiという造語をタイトルに使用しました。文字通り,その威力は津波に匹敵する洪水であり,決して看過しないで欲しいという願いが込められています。この論文では危険を煽るだけではなく,対応策も提示しました。言うは易しですが,ちょっとしたマングローブ林を堤防の前面に築くのです。マングローブは自然のバリケードとして非常に効果的で,このケースでも浸水自体は免れないまでも,流れは人命を守れるくらい大きく和らげられる可能性が示されました。

 

Maximum wind radius estimated by the 50 kt radius: improvement of storm surge forecasting over the western North Pacific, Nat. Hazards Earth Syst. Sci., 2016, DOI: 10.5194/nhess-16-705-2016

本論文が扱う「最大風速半径」は高潮解析における重要なパラメータの一つですが,これまで意外に見過ごされてきました。2013年台風Haiyanの高潮解析を行った際,既存の方法ではうまく台風の気圧分布が再現できなかったことが,この研究をはじめるきっかけとなりました。この論文では,最大風速半径の推定手法をレビューするとともに,新たな手法を提案しました。中心気圧や最大風速を使用する従来の手法は,最大風速半径の平均的な傾向をよく表すのですが,ばらつきが大きく,高潮を過大あるいは過小評価する可能性が高いことがわかりました。日本の南方海域には,沖縄や鹿児島の島々などに10ヶ所もの気象観測所が存在し,陸地の影響をあまり受けていない台風時の気象データを入手できます。本研究では,観測所データと台風ベストトラックデータを分析することで,「暴風域半径」が最大風速半径の推定に非常に有効であることを示しました。しかし,ある程度の推定誤差は避けられないので,これまで確定的に扱われてきた最大風速半径の変動を考慮する必要があることも訴えています。新たな手法は,中心気圧が非常に低い強烈な台風がもたらす高潮の予測に,特に威力を発揮すると考えています。

 

Storm Surge and Evacuation in Urban Areas during the Peak of a Storm, Coastal Eng., 2016, DOI: 10.1016/j.coastaleng.2015.11.002

台風が接近する前に安全な場所に避難できていれば良いのですが、何かしらの理由で避難しなかった・できなかった状況を想定してください。この状況で、自宅の前の道路が高潮につかり、今にも家の中に海水が押し寄せそうな状況に気づいたとき、住人はどのような判断をすれば良いのでしょうか。家にとどまる、すぐにでも逃げ出す、まさに生死を分ける判断を迫られることになります。台風Haiyanでは、iCycloneという命知らずのサイクロンチェーサー達が撮影した大変貴重な映像が残っています(こちらの動画の7時47分ごろをご覧ください)。タクロバンの市街地で、とある家族がまさにこの状況で後者の選択をし、腰の高さほどの流れの中を避難する映像が記録されています。幸いにこの家族は無事向かいのホテルに逃げつくのですが、この判断は正しいと一般化できるのか、これが本論文執筆のきっかけです。私達は、映像分析に加えて、この家族にもインタビューを行い、このときの流速を推定しました。また詳細な数値シミュレーションの助けもかりて、タクロバン市の主要な通りの流速を推定しました。その結果、この家族が難を逃れた通りは、たまたまかなり水流が緩やかな場所で、大半の通りは人が立っていられないほどの流速であったことが明らかになりました。実際に、最近私達が行った調査では、水流の激しいところで、人が流されていく状況が何人かの住人によって目撃されています。この研究はまだまだ続ける必要がありますが、万が一事前に避難できなかった場合、命からがら逃げ出すのではなく、住居内の垂直避難で命が救われるケースがあることを訴えています。

 

Statistics of tropical cyclone landfalls in the Philippines: unusual characteristics of 2013 Typhoon Haiyan, Nat Hazards., 2016, DOI: 10.1007/s11069-015-1965-6

すぐ下の論文の続編です。この論文では特にフィリピンに上陸した台風を詳細に調べ上げ、台風Haiyanの最大風速が200年に一度程度であったことを示しています。下の論文でも取り上げていますが、この台風の上陸時の最大風速は少なくとも過去70年間で最大でしたが、さらに上陸速度も時速41kmと、過去最速であったことを明らかにしています。台風が生み出す風は、中心に回り込む風速と台風自体の進行速度の和で表されますので、2つのベクトルが一致する場所で風速が一層強くなり、結果高潮も大きくなります。さらに台風の接近速度が速いということは、避難にかけられる時間が少なくなることを意味し、防災の観点からとても考えさせられます。また、海面水温と台風の発生についても調べており、2013年Haiyanや1998年Zeb(最大風速が過去2番目)が平年よりも顕著に海水温が高い時期に発生していたことを示しています。地球温暖化と台風の因果関係は必ずしも明らかになっていませんが、少なくとも台風Haiyanは海水温が比較的高い時期に発生したといえそうです。

 

Track Analysis, Simulation and Field Survey of the 2013 Typhoon Haiyan Storm Surge, J. Flood Risk Management, 2015, DOI: 10.1111/jfr3.12136

2013年11月フィリピンを襲った史上最悪の台風Haiyan(フィリピン名Yolanda)の現地調査(詳細はこちらをご覧ください)や高潮数値シミュレーションの結果をまとめた内容です。まず、この台風が一体どれほど強かったのかを調べるために、北西太平洋で 1951 から 2012 に発生した1960個の台風の強度や経路を分析しています。Haiyanと同じ程度の風速は過去28個の台風で発生していました。つまり、Haiyanは最強クラスの台風に間違いありませんが、史上最強と言い切ることはできません。では、何故フィリピン史上最悪の大災害が発生したのでしょうか。先ほどの28個の台風の話ですが、実は大体は太平洋上のどこかで消滅しているか、上陸前に勢いが減衰しているパターンでした。これに対して、Haiyanの場合、上陸時も台風の強さがほぼ衰えることなく、165ノット(秒速85m)という、とてつもない勢いで海岸部の都市を襲っています。この災害では高潮が被害を激甚なものにした訳ですが、高潮による水位上昇量は大体風速の二乗に比例します。そもそも台風というのは最大風速が17.2m/s を越える熱帯低気圧のことを言うのですが、そう考えるとHaiyanはこの5倍の風速となり、それによりもたらされる高潮は25倍ということになります。台風が来れば、大なり小なり高潮が発生していますが、通常は数十cm程度のもので目立った被害もなく、ほとんど話題にも上がりません。ところが、Haiyanによる高潮は、普通レベルの台風の十倍、二十倍のオーダーの高潮を引き起こし、私たちの調査では実に7mにも及ぶ高潮が発生していたことがわかりました。この論文では、引き波から始まり、しばらく後に津波のように押し寄せた高潮現象についても取り上げています。これは恐らく本論文が世界で初めて取り上げた現象ではないかと思います。津波の場合、引き波から始まるケースも一般的に認識されているのですが、高潮の場合、じわじわと水位が上がっていくというのが、これまでの専門家の認識でした(教科書の記述も)。この常識を覆す現象がこの台風の最中に起きていたのです。

 

Method for Quick Assessment of Caisson Breakwater Failure due to Tsunamis: Retrospective Analysis of Data from the 2011 Great East Japan Earthquake and Tsunami, Coast. Eng. J., 2015, DOI: 10.1142/S0578563415500126

東日本大震災のとき、数多くの港が津波により被害を受けました。また、被害をあまり受けず、その後の救援や復旧に大きく貢献した港もありました。この研究では、どのような防波堤が被害を受けたのか、また受けなかったのかを、ざっくりと(マクロに)分析しています。ミクロに分析しなかったのは、被害を受けた防波堤が非常に多く、また同時に被害がそれほどでない防波堤も多かったためです。このようなケースではまず全体を俯瞰して分析することが必要と思います。また、現状では津波に対して防波堤がどのような被害を受けるのか予測する方法が確立されていません。これは津波そのものの予測が難しいこともありますが、津波が作用したときに防波堤が破壊していく過程が非常に複雑だからです。防波堤のうわもの(ケーソンと呼ぶ)はカチカチの重量級コンクリート(内部は砂)ですが、それを支えている土台は捨石とよばれる大きな石、そしてその下を砂や粘土のような地盤が支えます。地盤はセメント系の材料で地盤改良されている場合も多いですが、基本的に防波堤は下に行くほど柔らかい材質になっていきますので、津波が作用したときに最もやわな部分がどのように破壊していくかが予測できないといけません。この予測は容易ではありません。加えて、研究成果を将来起こりうる津波対策に役立ててもらうことが大切ですが、日本には大小あわせて何と4千もの港があり、全て精緻な方法で検証することは不可能に近いといえます。本論文の主要な結論として、防波堤の被害は、津波の高さに加えて、防波堤の断面幅や波消しのブロック(消波ブロック)の有無に影響することを示しました。これらは直観的にも明らかなのですが、被害の限界値のようなものをある程度数字(定量的に)で示すことができましたので、複雑な方法によらず比較的簡単に第一段階のアセスメントを行うことができると思います。

 

Assessment of The Effectiveness of General Breakwaters in Reducing Tsunami Inundation in Ishinomaki, Coast. Eng. J., 2014, DOI: 10.1142/S0578563414500181

震災直後、石巻の日和山に登り、被害の全容を目の当たりにしました。そのとき、眼下の西側と東側で被害の程度に明らかに差異があると感じました。西側の地区は一部を除いてほぼ全ての家屋が流されていました。一方、東側ですが、やはりかなりの被害でしたが、残っている建物も数多く、明らかに西と東で大きな違いが見られました。西側の海側には侵食防止のためのブロック(離岸堤と呼ぶ)以外設置されておらず、これに対して東側には大きな港があり、これを囲む防波堤も残っており、これが東側の被害を軽減したのでは!と、直観しました。この直観を検証したのが、本研究です。結果的には、この直観は必ずしも正しくなかったことがわかりました。この防波堤はいわゆる津波防波堤(釜石が有名)ではなく、通常の防波堤で、設計時の外力として津波を考慮したものではないはずです。ですから、高波に対しては効果的なのですが、津波に対してはもともと保証されていません。本研究で行った数値計算では、残念ながらこの防波堤の効果は認められませんでした。港には船の行き来のため開口部が設けられていますが、この港の開口部は比較的広く、津波の流れを十分にせき止めるだけの機能を果たしませんでした。釜石の津波防波堤のような構造物が機能するためには、その入口が十分に狭い必要があります。防波堤の前後で水位差がつくので、口が開いていればどんどん水が流れこんできます。水道の蛇口と同じです。開口部を狭くすることで、流入量を減らし、到達する時間を遅らせるのが津波防波堤の役割です。一方で、普通の港は一般的には設計上津波を考えてきませんでしたので、高波が防げるならば、それ以上開口部を狭める必要はありませんし、船の航行のためには出来る限り広い方が望ましいのです。ですので、普通の防波堤では津波に対して背後の地域を護れないと、まずは考えて背後地の防災計画を考える必要がありそうです。一方で防波堤の開口部を完全に閉じた仮想のケースで背後地の浸水の状況を解析したところ、非常に効果があることがわかりました。よって、地震発生直後に何かしらの手段で開口部を閉じることができれば、広い港の背後をかなり護ることができると思われます。最近では浮上式の防波堤なども開発されていますので、そのような技術に期待したいと思います。

 

Ocean Tides and the Influence of Sea-Level Rise on Floods in Urban Areas of the Mekong Delta, J. Flood Risk Management, 2014, DOI: 10.1111/jfr3.12094

メコン河(またはメコン川)は、中国、ミャンマー、ラオス、タイ、カンボジア、ベトナムを流れ、約4,800kmの長旅の末、太平洋へと注ぐ、世界有数の国際河川です。この河川の水位変化ですが、例えばラオスあたりでは季節により水位が大きく異なりますが、これは雨季と乾季の降雨量の差で概ね説明できます。ところが、ベトナムに入ると広大で低平なメコンデルタが広がり、海洋の影響、すなわち潮汐が水位に影響を及ぼすようになってくるので、降雨量のみで水位が説明できなくなってきます。メコンデルタにおける潮汐の影響は、これまでも認識されていましたが、上流からの河川流量と潮汐の影響が各々どの程度なのか、また潮汐成分の中でも特にどの成分が支配的なのか、本論文ではこのようなことを定量的に調べています。また、雨季の時期には、潮汐が河川流に逆らって伝播することに伴い、tidal dampingという振幅減少が現れることを明らかにしました。ところで、この論文ではカントー市というメコンデルタ最大の都市をターゲットにしていますが、これは地球温暖化に伴う海面上昇や都市化に伴う地盤沈下などのインパクトを最も受けやすいと考えたからです。カントー市では河川水が緩やかに氾濫し、街が浸水することも珍しくありませんが、現在はほぼ雨季の一時期に集中しています。ところが水位が60cmも上がる(あるいは地盤が60cm下がる)と、カントー市の中心部では実に年間4分の1程度の時間帯で浸水が発生するという解析結果になりました。つまり、雨季・乾季に関わらず、ほぼ毎日のように浸水が発生するのです。これを私たちの例で例えるならば、東京で毎日雪が振るような状況でしょうか。東京でも雪は降りますが、たまに降ると交通は大混乱し、大都市の弱さを思い知らされます。これが毎日ということになったら、一体どんな事態に陥るのか、インパクトは計り知れません。メコンの人も同じで、浸水が雨季の風物詩くらいの出来事であれば我慢もできるのでしょうが、毎日ということになれば、生活への影響は今とは比較にならないでしょう。

 

FY 2013 Main Activities

フィリピン台風Yolanda(Haiyan)の調査研究

フィリピンに史上最悪の被害をもたらした台風Yolanda(Haiyan)の高潮被害について,世界の研究者に先駆けて,調査を行いました。調査や解析結果の詳しい報告は,以下よりご覧いただけます。2014年度も引き続き研究室の重要テーマの一つとして力を入れて取り組んでいきます。

http://www.eng.titech.ac.jp/report_5.html (調査報告,所感)

http://www.ide.titech.ac.jp/~takagi/2013Haiyan.html (解析結果)

http://www.ide.titech.ac.jp/~takagi/2013HaiyanPhoto.html (現地状況写真)

ベトナム海岸災害・防災についての書籍執筆・編集

ここ数年ベトナムの研究に力を注いできましたが,これが書籍出版という成果につながることになりました。Dr.Thao(ホーチミン市工科大)とDr.Esteban(東大)とともにEditorを務め,多くの研究者の協力のもと,この度原稿を提出し終えることができました。今後校正作業を終えて,世界最大手のElsevier社から,"Coastal Disasters and Climate Change in Vietnam: Engineering and Planning Perspectives"というタイトルで2014年9月に出版予定です。

http://www.amazon.com/Coastal-Disasters-Climate-Change-Vietnam/dp/0128000074

東北津波災害の研究

今年度より本格的に研究を開始しました。東日本大震災時に最も大きかった石巻を対象に,東北大災害科学研のDr.Bricker達とともに研究を進めています。2度の現地調査と詳細なシミュレーションをもとに,近く研究成果を論文に投稿する予定です。

 


FY 2012 Main Activities

メコンデルタの洪水リスク、気候変動リスクに関する研究

ベトナムのカントー大学やホーチミン市工科大学の研究者と共同して,メコンデルタの潮汐伝播や減衰過程が都市部の洪水に及ぼす影響について研究を開始しました.IPCC第4次報告の海面上昇を想定すると,現在は雨季に集中して発生している洪水が将来的には一年を通じて発生する状況になることを定量的に明らかにしました.また,数値解析による評価を行い,河川形状や河川流が潮汐伝播に及ぼす影響を検証しました.研究成果は,近く国内外の論文を通じて発表の予定です.

Flood Risk and Climate Change in Mekong Delta

The research group investigated the mechanism of tidal propagation and dispersion in the estuary; they present its influence on flooding in urban areas of the Mekong Delta in association with Can Tho University and Ho Chi Minh City University of Technology. Assuming sea-level rise within the range of IPCC AR4’s projection, it is feared that inundation can occur during any season of the year, whereas it is mostly limited to the rainy season under present sea levels. A numerical simulation was performed to assess how a river’s shape and discharge influence tidal damping. There are plans to publicise these findings in both international and domestic journals.

 

東京湾の津波脆弱性に関する研究

これまで東京湾はその閉鎖的な地形特性のため,有意な津波は発生しないと考えられてきました.しかし,東日本大震災では千葉県の漁港で3m近い津波が観測されており,隅田川でも1.5m程度の津波が発生しました.東京湾には大小様々な河川や運河が繋がっており,加えて低平な土地を護るための防潮堤や水門などの防災施設が高度に整備されているため,湾内を伝播する津波は非常に複雑な挙動を示します.本研究室では,数値解析を駆使して,東京湾において顕著化する恐れのある局所的な津波リスクの評価を行いました.

Tsunami Risk Assessment in Tokyo Bay

Tokyo Bay is considered to be safe against tsunamis because of its semi-closed shape, which would effectively reduce the incoming tsunami energy. However, a 3 m tsunami was observed at a fishing port of Chiba prefecture and a 1.5 m tsunami was observed in the Sumida River after the Great East Japan Earthquake on 11 March 2011. Our research group is investigating the characteristics of tsunami propagation across Tokyo Bay with a focus on local tsunami amplification mechanisms caused by artificial structures such as dikes and floodgates.

 

気候変動と港湾

欧州共同研究センター(EC/JRC)からの招待を受けて,気候変動と港湾に関するスコーピングワークショップに参加しました.発表では,気候変動に伴い港湾防護施設の構造安定性が有意に低下することを示し,その評価方法や対策手法,対策コストに関して専門家として話題提供,ディスカッションを行いました.

Climate Change and Sea Port

As an expert of coastal disaster research, Prof. Takagi was invited to the Scoping Workshop on Sea-ports and Climate Change at Brussels organised by the EU Joint Research Center. He addressed the stability of sea-port defence, which is likely to be further exacerbated by climate change.

 


 

FY 2011 Main Activities

東日本大震災 津波被害調査

東日本大震災による津波被害調査を土木学会合同調査グループの一員として青森、岩手、宮城、茨城、千葉、東京の各地域で行いました。また、米国土木学会(ASCE)の緊急調査グループ(第一陣:団長Gary Chock氏)にも加わりました。このときの成果は、"Tohoku Japan Tsunami of March 11, 20011 Performance of Structures"という報告書としてまとまり、近い将来米国のデザインコード改訂に反映される予定です。

Survey of the disaster caused by the tsunami owing to the Great East Japan Earthquake

Prof. Takagi carried out a series of tsunami disaster surveys in Aomori, Iwate, Miyagi, Ibaraki, Chiba, and Tokyo as a member of the JSCE Joint Survey Group. He also worked with the ASCE Tsunami Reconnaissance Team, led by Mr. Gary Chock. The results obtained by them during the survey have been summarized in the report titled “Tohoku Japan Tsunami of March 11, 20011 Performance of Structures”, and will be utilized in revising the ASCE 7 Standard in the near future.

 

ベトナム 災害脆弱性調査

JST受託研究「ベトナム沿岸域の災害脆弱性調査と防災力向上のための基礎的研究」の研究リーダーとして、早稲田大学、京都大学、ホーチミン市工科大学、カントー大学、国連大学の研究者と合同調査を実施しました。また、ファンティエット市では地元行政関係者40名と合同セミナーを開催し、防災啓発活動を行いました。メコンデルタのカントー市の調査には、学部3年生の1名も加わりました。

Vulnerability Assessment of Coastal Disasters in Vietnam

Prof. Takagi, as the leader of the JST (Japan Science and Technology Agency) research project “Assessment of Disaster Vulnerability of Coastal Areas in Vietnam and Basic Study for Disaster Mitigation”, has led joint surveys with researchers from Waseda University, Kyoto University, Ho Chi Minh City University of Technology, and Can Tho University. They organized a seminar, with a total of 40 local authority members in Phan Thiet city to enhance public awareness on coastal disasters. One undergraduate student from the laboratory joined the survey in the Mekong Delta.

 

気候変動と海岸構造物

将来の海面上昇および台風の強大化により防波堤の安定性能が大きく低下することを数値シミュレーションと信頼性理論にもとづき明らかにし、その成果を国際学術誌Coastal Engineering Journalに発表しました。

Climate Change and Coastal Structures

The research group published a paper for the Coastal Engineering Journal, where they revealed that the breakwaters are very likely to lose their stability, owing to the effects of climate change in the future by using a numerical simulation and a stochastic analysis.