近年，放射性廃棄物の余裕深度処分などの地下構造物にコンクリートが人口バリアとして利用されるなど，コンクリートを耐久性材料として扱うことが期待されています．耐久性材料としてコンクリートに求められる性能としては，長期にわたる寸法安定性・化学的安定性および塩化物イオンや硫酸イオンなどの外的劣化因子に対する抵抗性を有することが重要です．従来，耐久性を得るためには高強度にするといった方法が一般的でしたが，そのような方法では初期欠陥が生じるなど必ずしも高耐久化につながらないことが問題視されています．
　そこで本研究では，常温では水硬性を示さず，炭酸ガスと高い活性を示すγ-C2Sという材料を混和材としてコンクリートに混和し，オートクレーブ養生および促進炭酸化養生を施すことで，化学的に安定かつ外的劣化因子に高い抵抗性を有するコンクリート材料の材料設計を行っています．また，そのような材料の耐久性評価に関する研究も行っています．

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