呑川の増水
 2008年7月12日、研究に従事していたところ、空がゴロゴロ鳴ってきたので降雨レーダーを見ると、時間雨量60mmの雨雲が急接近しているではありませんか。そこでカメラを片手に近くの呑川(2級河川)まで豪雨の中走っていきました。地点は工大橋から300mほど下流に下ったところ。
15:20 呑川到着。雨が激しく川面を打ちつけていますが、水位は平水時のまま。雨が降り始めてから10分以上経過しています。
15:24 しばらくすると、上流からごみ(木の葉など)が流れてきました(川面の白い点)。そしてその直後・・・
@ A
B C
15:25〜15:26 途端に水位が上昇してきました。写真@からCまで1分弱。
15:26 段波らしい現象を確認。波高は目視で10〜20 cm程度。段波と思われる現象が確認できたのはこの1回だけでした。

  (写真上:奥(上流)から手前(下流)に向かって)   (写真下:手前(上流)から奥(下流)に向かって)
15:28 雨は止み、青空が顔を覗かせますが、水量は衰えません。
     (写真右は15:32に工大橋で撮影)

15:29 水位は約90cmで頭打ちとなりました。平水時と比べるとこんなに違います
16:25 平水時程度の水位に戻りました。何事も無かったかのように。
また、2009年4月14日の深夜にも大雨が降りました。

右は15日0時の東京アメッシュの画面です。赤が非常に強い雨が降っている場所を示しています。ものすごい雨でした。
図中の矢印の先は工大橋です。

このときの状況がこちら↓
左が平水時、右が14日の呑川の様子です。同じ場所で撮影したものです。
増水時の写真の点線が水位、実線が護岸のラインです。写真で見るとあふれるまでかなり余裕がありますが、現場では川があふれて飲み込まれるのではないか、と不安になりました。

呑川では大雨が降ると、下水道から汚水と共に雨水が流れ込みます。
ですので、増水時の呑川が大変くさいです。時間があったらお試しください。

最後にそのときの水位上昇の様子と、増水後に呑川に現れるものを紹介します。
東京都水防災総合情報システムより。
133cmの水位上昇が観測されました。
最大降雨量は1時間に30mmという強烈なものでした。
呑川の中にある管理用の手すりです。
何か白いが引っかかっているのがわかりますか?
トイレットペーパーです・・・
この記事は、神田研究室のニュースを加筆・修正したものです。(原著者:稲垣助教)