CFSII@Vancouver (2011年8月3〜5日)


8月3日〜5日にかけて、カナダのバンクーバーで開催された「Coherent Flow Structures in Geophysical Flows at Earth's Surface」という会議に参加してきました。

コヒーレント構造とは、流体中、特に乱流中に見られる、様々なスケールを持つ
秩序構造を指します。
何らかのルールに従って発生すると考えられるこれらの流れ構造の研究は、乱流
の本質を理解するために欠かせません。
でも、少しマニアックな研究だと思われている気がします。

15年前に開催された「Coherent Flow Structures in Open Channels」に引き続
き、2回目の開催となった今回の会議は、特に地表面上に発達するコヒーレント
構造を対象としています。
日本からの参加者は、神田研から出席した助教の稲垣さんとD3瀧本の2人のみで
した。

会場は、Simon Fraser Universityという大学で、バンクーバーの中心街からバ
スで40分ほど離れた丘の上にあります。
キャンパスがとても綺麗だったのが印象的でした。






初日のkeynoteスピーカーはRoland Adrian教授。
この分野の第一人者です。
発表内容の90%くらいはすでに知っているものでしたが、やはり勉強になりました。
少しだけお話することもできました。





初日に発表した稲垣さん。




二日目発表の瀧本。



発表の半分近くは河川に関するもので、中々興味を持てませんでしたが、面白い
発表もたくさんありました。




植生型キャノピーの中で見られる流れの蛇行。




河床で発生するコヒーレント構造と魚の動態の関係。
写真は,それぞれの個体の位置をプロットしたもので,個体ごとに少し違った傾向が見えています.
今野くんのユスリカの実験にちょっと近いかもしれません。




サーモカメラで撮影した温度分布からPIVの手法を応用して、流速を測るというもの。
河川の水面を対象としていますが、スペクトルを計算できるほど綺麗にデータが
とれていることに驚きました。


面白い発表はまだありますが、印象的だったのはシミュレーションよりも観測が多かったこと。
ダストデビルを37台の超音波風速計で捉えようという研究には感銘を受けました。
6週間の観測で、ダストデビルらしきものを捉えることができたのは1例のみだったそうです。


世間の狭さにも驚きました。
同じバンクーバーにあるUniversity of British ColumbiaではOke先生が退官さ
れ、今回参加していたAndreas Christen氏が研究室を引き継いだそうです。
そこに、今ちょうど滞在しているのが、COSMOで実験をしていたフレッド。

アンダースの同僚も参加していて、たくさんお話をすることができました。


最後にバンクーバーの街並みを少し。

 




2011年8月15日 瀧本


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