M2の下重です.
夏休みを利用してベトナムに行ってきました!
行く前にベトナムって何があるんですか?とかベトナムに何しに行くの?とかよく聞かれたので
今回はフォーとアオザイだけではないベトナムという国について紹介したいと思います!
前もって言っておきますが,一人旅をしていると長ーーーい日記を書きたくなるタイプなので
今回の旅行記もたぶんとんでもなく長くなります笑

南部の商業都市ホーチミンから入って北部の首都ハノイから抜ける飛行機のチケットを買ってベトナムを南北に縦断することにしました.
郷に入りては郷に従えならぬ,郷に入る前に郷をまず知れ!と思ってベトナム戦争が全て分かる本というのを買って飛行機で読むも
2時間で飽きて寝る・・・.

まずはホーチミンから

ベトナムといえば・・・・・バイク


よーい・・・                                     ドン!

とにかくバイクの数が凄い.OLさんも制服姿の女子高生もみんなバイクです.それに伴って空気がとんでもなく悪い!
先進国がいくらハイブリッドだのエコだの考えても,全く意味がないんじゃないか?ってくらいのバイクの数です.
ホーチミンにいる間,スコールとはまたちょっと違う変な雨がよく降ったんですが,
これはバイクから排出されたエアロゾルが影響して・・・とかブツブツと考えてしまった私です.
ベトナムでは低所得者層もみんなバイクを持っていて,何でバイクを買えるの?ってベトナム人に聞いたら
バイクの値段は日本と大差ないものの,ありえない年数のローンを超高金利で借りられるらしくて
みんな後先考えずにローンを組んで買ってしまうようです.バイクは生活の足なので無かったらやっていけないだとか.

ちなみに信号があまりなくて,このありえない数のバイクがビュンビュン通る大通りをソロソロ渡る事になるんですが,
向こうは歩行者が歩いているからって止まってくれるという概念はなくて,器用にギリギリで避けてくれます.
だから大通りの真ん中で立ち止まって渡ろうかな・・どうしようかな・・・ってどっちつかずの行動をしていると
ドライバーも迷って,轢かれる確立が70%はUPします.俺は渡るんじゃい!というオーラを出して胸を張って堂々と渡ることが大事です.




写真は安宿街で有名なデタム通り周辺です.
世界には色々安宿街があるけれど,私的にはこのデタム通り周辺は最高に居心地がよかったです.
タイのバンコクにもカオサン通りというバックパッカーの聖地とか言われている安宿街がありますが,
欧米の観光客が増えすぎて,欧米人向けのバーとかレストランとかばっかり開業した結果,
地元民が全く寄り付かないちょっと特殊なエリアになりつつあって落ち着かなかったんですが,
デタム通り周辺は高校生とか地元のおばちゃんとかも普通に生活していて,ベトナムのみなさんの暮らしを
肌で感じる事が出来ます.
宿は大体8ドル〜.安くなるほどホットシャワーがでないとかエアコンがないとか色々なものが
なくなっていくのが普通ですが,ここベトナムでは一番安い宿でも一応全て揃っているところが特徴です.
社会主義国なのが関係しているのでしょうか.


街の発展にインフラが追いついていないのか電線の張り方は凄まじい!

こういう絵が街中の至る所にあるのが社会主義国らしいところ.

ホーチミンでは市場を見に行ったり,散歩をしたり.ちょっと観光スポットに行ってみたり.ばーーっと紹介します.


ホーチミンの街中


ベトナムの台所.市場です

旧大統領官邸.ベトナム戦争末期,解放戦線が
ここに突入してベトナム戦争は終結しました

中央郵便局.フランスの植民地の名残でフランスのような造りの建物が街中に所々見られます.ホーチミンさんは神様なので至る所に肖像が飾られてます.

雑然とした街の中にふと現れるヨーロッパ風の建築物.
マリア大聖堂です.こちらもフランス植民地の名残です

大聖堂をバックに新婚さんが写真撮影!


こんな感じのホーチミンです.時間が余ったのでバスで2時間くらいのクチトンネルに行ってみることにしました.
クチトンネルはベトナム戦争時に解放戦線が米軍の攻撃からの防衛とゲリラ攻撃を仕掛けるべく,
地下に総延長230km(!)のトンネルを手掘りで作ったトンネル・・・というより,
炊事場とか居住スペースがあるので巨大な地下帝国です.
子供の頃に裏山に秘密基地を作っていた自分はそういうのって凄くわくわくします!



全く何もないように見えて・・

こんな所に入り口があったりします.恐るべし解放戦線

観光客はもう少し大きい入り口から入ります

トンネルは人一人がしゃがんでやっと通れる大きさです.
これはフラッシュを焚いているので明るく見えますが,
本当は真っ暗です.真っ暗な中,手探りで前へ前へと進みます.
ちなみにあちこち分岐してあって,間違った方向に進むとブービートラップが
仕掛けてあって即死します(今はさすがに取り外していますが・・・・).
自分は閉所恐怖症ではないですが,真っ暗であちこち分岐してて
どっちに行けば外に出れるのか分からず,しかも立ち上げる事も出来ず,
自分の前後に人がいなくなったときはさすがに発狂しかけましたね笑
ちなみに解放戦線の人々は数万人だか数十万人だかがこのトンネルに
なんと20年間も住んでいたそうです.

自分は20分が限界です・・・・・
そりゃアメリカも負けるわ・・・・と思いました.


クチトンネルには軍の射撃場があって軍のサイドビジネスで本物のライフルを撃たせてもらえます.



見難いですが,M16とM60が一発3万ドン,AK47が2万六千ドンです.
ミニマムが十発〜なので大体一回30万ドン(1500円くらい)になります.
ベトナムの物価水準だと30万ドンはとても高いのですが,早々ライフルを撃てる
機会がないので・・・・・









当然撃ちます!こちらはAK47.広く世界の紛争地帯で出回っている銃です.
最初の一発はおぉ〜と思いましたが,二発目からは特に何も感じなくなって引き金を
引ける不思議.なるほど,こうやって兵士は無意識に引き金を引けるようになるのかと納得.
バスで一緒だったイギリス人がM16とシェアしようぜ!と言うのでM16も撃つことに.
こちらの方は反動が物凄くてちょっと怖かったですね.
ちなみにカンボジアではロケットランチャーが撃てます.撃って見たい方は是非.

お土産に空薬莢を持ち帰ろうとしたらX線で引っかかって空港で没収されました・・・・

その後ホーチミンを離れて中部の世界遺産がある町フエへ


フラッグタワー

フエの目玉の宮殿です.
ここはベトナム戦争の時の激戦地であちこち補修中でした
ホーチミンが通った高校に侵入してみる.
高校の感じは結構日本と似たものを感じました.
ベトナムは至る所に学校があって,教育には凄い
力を入れている印象を受けました.


フエから鉄道でハノイへ.ベトナムには統一鉄道という凄い名前がついた鉄道が
南北を貫いています.ホーチミンからハノイまでは統一鉄道で29時間ほど.
ちなみに日本のODAの円借款と技術協力で数年以内に新幹線が導入され,
ホーチミンからハノイまでを短時間で結べるようになるそうです.



フエからハノイまでは鉄道で12時間程.
大体2500円くらいです.

鉄道は一日に数本しか来ません

統一鉄道がきたどー!

こういうローカルな感じがなんとも楽しい
12時間後・・・ハノイ到着.
朝4時とかにハノイの街中に放り出されても正直困ります
・・・
ちなみに統一鉄道の朝の起こし方は強烈です.
まずベトナム民謡みたいな音楽が大音量で廊下に流されます.
10分くらいして,それでも起きないようだと,制服姿の車掌が
共産圏のノリで何事か怒鳴りちらして強制的に起こします笑

怖い怖い
ちなみにベトナムの人々は本当にいい人で,
コンパートメントで一緒の人に自分が持っているお菓子
とか食べ物とか色々とくれます

この日は土曜日.日曜日にラオスと中国の国境近くの山岳地帯にあるサパという村では
近くに住む山岳民族が集まって大きな市場を開くという話を事前に聞いていた私は,ハノイの観光は後回しにして
二日続けて夜行電車に乗ってサパを目指すことに.


二日続けて夜行電車はきついので乗る前に飲んで気合を入れます.
ハノイの街中で出会った琉球大学の学生さんと.
彼は一年半かけて完全陸路(!)で世界一周中です.
今韓国→中国→ベトナムときてまだ1ヶ月目.
一年半もかけてアフリカ大陸も南米大陸も縦断して
世界中を回ったらきっと人生観とか世界観が大きく変わるんだろうなぁ〜.
日本も欧米みたいに卒業後に数年猶予があればいいのにと思います.




・・・と,真っ赤な顔をして駅へ(正直あんまり覚えてない)

なんとか電車にのって翌朝5時に中国との国境のラオカイへ.
国境はすぐそこです.無駄に国境を越えてみようかと思ったけど
10分で出国したらなんかややこしい事に巻き込まれそうだから今回はパス

そこからバスで走ること2時間
窓からチラチラ山岳民族の方々が見えるようになります.



 ちなみにサパはこの辺り.


サパ到着!
ミニバスを降りると,早速民族衣装に身を纏った可愛い女の子が.


サパ周辺に点在する村々から色々な山岳民族がこの街に品物を売りに来ているのですが,一番多いのは左の写真の子と同じ,紺の衣装を着ているモン族です.

笑顔が素敵なおばあちゃんは赤ザオ族.
真っ赤な頭巾と眉毛を剃るのが特徴です



隠し撮りみたいになっていますが,ベトナムで一番カラフルで可愛い衣装を着ているという花モン族.花モン族の村は少し遠いので,サパでは残念ながらほどんと見れず

ちょっと変わった衣装のこちらは中国の民族の子.
サパにボーイフレンドがいて中国から会いに来てるのだとか.



たくさんの子供たちが手作りの工芸品を売っています.
左の子はまだ15歳のスーちゃん.仲良くなってこの子が住むラオチャイの村までトレッキングすることにしました


実はラオチャイ村までは山道を12kmも歩くのです・・・

道中は芸術的な棚田が広がる光景が見られます.

こっちが近道!と言ってスイスイ進むスーちゃんですが,山道を歩きなれていない私はついていくのが精一杯・・・

自分の家に案内してくれるスーちゃん.
心持か家が見えるに連れて歩く早さがあがります

お母さんとお孫さんと・・・

村上春樹に似たお父さん!

ご飯をご馳走になりました.ウルルン滞在記ですね.たけのこの茹でたやつと鶏肉の茹でた奴と空芯菜の炒め物.これをチリにつけて食べます.中国に近いから中国流のもてなし方なのか,ご飯茶碗が空になっている状況を作らせません.ご飯茶碗が空になりかけると,村上春樹似のお父さんが次から次へとおかずとご飯を茶碗に強制的に入れてきます笑

ちなみに台所.雨漏りとか大丈夫なのかな・・・




食後は編み物の時間です.
手作りの民芸品を市場で売ったりして生計を立てているだけあって非常に上手いです.
お裁縫はお母さんから全部習うのだとか.
ちなみに後ろの樽は藍染の染料が入っていて,藍色の衣装をはそれで染めます.衣装も全部手作りなのです.




・・・・ちなみに,僕も色々買っちゃったんですけど,誰かいります?笑

ベトナムではあまり英語が通じないのですがこの子達は英語ペラペラに喋れます.学校で英語を習ってなくてもペラペラです.やはり生活がかかっていると必死で覚えるのでしょうか.日本人は10年間学校で英語習っても全然喋れないって言うと物凄く驚かれます.ラテン語圏の国だとまあしょうがないかって気もしますが,同じアジアの国でこんなに小さな子が英語を覚えている様子を見ると,こっちも必死に頑張らなきゃ!って思いました.
涼しいサパで4日間も滞在した後はこのボロ夜行バスで12時間かけてハノイに帰ります.出発一時間後,バスの中で「やっべ!パスポート宿に預けっぱなしだ!」って気づいたものの,ドライバーも車掌らしき人も英語が全く分からず,何とかジェスチャーで携帯電話を借りて宿に電話してもらうと,バイタクのドライバーにパスポートを持たせてバイクでバスを追いかけさせる!との事.

一時間後・・・バイクがバスに追いつき,何とかパスポートが手元に.
こう聞くとなんて優しい人なんだ!って思うでしょうが15万ドン(750円)請求されたんですけどね!

ちなみにめんどくなって紛失扱いにして日本大使館に行くかーって本気で思ってたんですけど,よくよく後で確かめると紛失扱いにすると1〜2週間は日本に帰れないのだとか.・・・・・・色々な意味で危なかった・・・.

ハノイに到着後,まだ3日くらいあったのでハロン湾にベイクルーズに行くことにしました.
ハロン湾は海に奇岩がニョキニョキとそびえ立つ世界遺産です.


ニョキニョキ


真ん中に見える二つの岩は闘鶏岩という名前がついた,
ハロン湾で一番有名な岩です.鶏が闘っているように見えますか?

ぐだー

途中鍾乳洞に寄ったりもします

ハロン湾はベトナム人の新婚旅行のメッカです.
今回も熱々の新婚さんと一緒でした.

ベトナム最後の夜はカットバ島で一泊します.
夕日が綺麗な島でした.



ベトナムの食編

ここではまとめてベトナムの食事を紹介します!



まずお馴染みのフォー!
ベトナムでは牛肉が入ったフォーボーと鶏肉のフォーガーが
よく食べられます.ちなみに南部と中部と北部では味が違っていて
南部では甘め,中部では辛め,北部ではさっぱり目です.
南部ではもやしや香草がたっぷり入っているのが特徴です.

ちなみにこちらはフエで食べた中部のフォー.辛い上に麺が春雨のような食感の不思議なフォーです.ちなみにベトナムでは今フエ料理が大流行していて,この辛いフォーは大人気です.



ベトナム人はフォーしか食べていないわけじゃありません.街中には写真のようなコムビンタンと呼ばれる食堂があります.

ケースの中にはこんな感じで色々な料理が並んでいて,指差すとご飯の上にヒョイヒョイ!と載せてくれます.大体100円くらいです.

ベトナムは中国の食文化に相当影響を受けているため,料理もどことなく中国料理に似ています.
日本人にも抵抗なく食べられる味です.

でもご飯の味は結構独特で,毎日食べると日本人は飽きるかな・・・って感じです.


こちらはバインセオというベトナム風のお好み焼きです.生地の中にもやしとか豚バラ肉がごっそり入ってて菜っ葉に包んで食べます.



バインセオはこんな感じで作ります.
ちなみにベトナムはおばちゃんの力が物凄いです.市場も店も全部お母さんが仕切ってます.
一方男はと言えば・・・カフェでだべったりしてます.
戦争で夫がいない中,一人で家庭を支えなければいけなかったからか,ベトナムの女性は本当によく働きます.

忘れちゃいけないバインミーというフランスパンのサンドイッチ!フランス植民地の名残でフランスパンがめちゃくちゃ美味しい!街中にはこのバインミーの屋台が至る所に見られます.

ちなみに中には4種類くらいの色々な部位の肉やたまねぎや香草が入っていてチリソースや魚醤で味付けがされています.ボリュームたっぷりで30円くらいです.滞在中毎朝バインミーを買いに行ってました.

ベトナムのスイーツ.チェーです.
日本で言う餡蜜とカキ氷を混ぜたようなものでしょうか?
色々なフルーツと煮豆とココナッツジュースを入れて氷を大量にどさどさ入れたものをかき混ぜて食べます.

チェーはアレンジ次第で色々作れるので,ドリアンミックスとか色々試して見るのも面白いです.


意外に有名なのがプリン.ベトナム語でバインフランといいます.美味しいです!

まだなかなか上手く作れていませんが,研究室にも買って帰ったベトナムコーヒーです.練乳とコーヒーの比率はこのくらいです.


・・・・最後にベトナムの感想


街は正直汚く,特にホーチミンの街の感じはタイに近いと言うよりはインドに近いという印象を受けましたが
ベトナムはなんと言っても人が物凄く温かい国でした.


あくまでも一人旅の感想なので,複数人で行くとまたその国の違った面が見られるのかもしれませんが,
今まで行った国の中ではカンボジアと共に一番人が温かいと感じた国でした.
綺麗な景色は一度見て写真を撮ってしまえば満足しちゃいますが,人が温かい国は何日いても
新しい出会いと発見があって飽きません.
治安は悪いようで良いです.夜になるとバイタクの兄ちゃんが大麻とかスペシャルマッサージとかの
客引き屋に変貌しますが,強盗とかの凶悪事件は普通に旅している分には巻き込まれないと思います.

お勧めの国です.



あっでも私的に学生のうちに是非一度行ってほしいのはインドのバラナシです.
というのも,バラナシのガンジス川近くで死んだ人は輪廻から解脱できると考えられている為,
自分の死が近い事を感じた人がインド全土からこの地にやってくるのですが,
ひたすらガンジス川を見ながら自分が死ぬのを待っているお年寄りの横で,すでに亡くなった人を
川のほとりで火葬している・・・というか焼き芋のようにそのまま焼いている様子を見るとなんとも色々考えさせられます.
ちなみに子供とか一部の人の死体は重りをつけて川にそのまま流されます.
日本にいると死についてなんて全く考えませんが,ここに来ると死について物凄く考えさせられ,
自分の残りの人生で何をすべきか色々考えさせられます.
藤原新也さんの有名な本でメメント・モリ(死を想え)という本がありますが,本当にそんな感じです.
で,何がいいたいかと言うとインドをいきなり旅するのは何かとハードなのですが,
ベトナムはインドに行く前の予行練習になるぴったりの国だと思うのでインドの興味がある方は
まずベトナムに行くことをお勧めします!
それと,自分は行かなかったのですが,ベトナムはエステとかマッサージが非常に安価で
しかもしっかりしているらしいので,そちらを試したい人も是非ベトナムへ!