熱電対を用いた温度の多点計測@COSMO 第一報稲垣 2009年10月9日更新)


都市における歩行者レベルでの、気温変動場の形成機構を明らかにすることを目的とし、2009年8月より屋外都市模型(COSMO)にて熱電対と風速計を用いた温度と風速の多点計測を開始した。その第一報として、測器の設置状況について述べる。

COSMOの接地境界層では、建物模型の数倍もある巨大な乱流組織構造が発達していることが観測されており、それが歩行者レベルの気温変動にも影響を及ぼしている可能性が考えられる。それを調べるため、今回は以下のように測器を配置した。



風速計と熱電対の設置状況。(a)COSMOの平面図。(b)熱電対(×)は建物模型の屋根レベルの横三列にそれぞれ14点配置、風速計(●)はブロックの2倍の高度に横一列14台配置した。これによって建物区画を超えた、上空の巨大な乱流構造の影響を評価することができる。(c)水平分布観測地点の中心付近にて、ブロック背後と交差点の位置に、それぞれ熱電対を鉛直方向に7点配置した。


熱電対と風速計の設置風景。熱電対56点、超音波温度風速計16台が設置されており、すべてが同期した計測が行われている。

久々の大規模な観測になる予定であるが、数年前に比べてCOSMOで観測する人の数も少なく、神田研からは私一人が作業に当たった。しかし、現場では九州大学の萩島先生、日本工業大学の成田先生とB4蛯名君&有志の学生による強力なサポートにより、何とか観測までこぎつけることができた。皆様には深くお礼申し上げます。

(第二報へ続く)



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